人と話している時や何か目の前で起きたことに、つい口をついて出ることばがあります。
何気にいわれたことを聞くこともあれば、自分で口にすることもあります。
ただ、自分が理解していた事と違う、また自分でも結構あやふやに覚えていたなんていうのもあります。
はたして今言ったことや耳にしたことが正しく使われているのか?気になることありませんか?
よく使われる諺について意味や使い方を調べてみることにしましたが・・・その前に、
ことわざ(諺)ってどんな定義があるんだろう?
ということでまず「ことわざ」の意味から。
諺とは
古くから言い伝えられてきた、教訓または風刺の意味を含んだ短い言葉。
生活体験からきた社会常識を示すものが多い
(wiki参照) という解説がありました。
なるほどです。
習うということでもなく、小さいころからなんとなくきいたことや、覚えたことなどもあるかと思います。
自分なりに理解してしまったことを特に調べることもなく使ってみて、それが思い違いや勘違いなど意味のちがうことだったり、使い方が間違っていたりして恥ずかしい思いをした、なんていう方もいるのではないでしょうか?
よく耳にすることわざの意味と使い方
よく知られているお馴染みのことわざと、知っているようで間違えやすいことわざなどを独断でピックアップしてみました。
諺の解説については主に「コトバンク」を参照にしています。
私が思い違いや勘違いしていた諺は・・・
まず、あなたはそんなことないかもしれないけれど、私が思い込みで間違った解釈をしていたものをいくつかご紹介。もしかしたら、同じような間違いをしているかも?
・袖振り合うも他生の縁
道を歩いていて見知らぬ人とすれ違うのも、前世からの因縁による。
行きずりの人との出会いやことばを交わすことも単なる偶然ではなく、縁があって起こるものである。
・情けは人の為ならず
他人にかける情けは、その人のためになるだけではなく、めぐりめぐって、やがて自分のためにもなる。
「為ならず」は、「為なり」を否定したもので、文字どおりには、情けは人のためではないということになります。しかし、ことわざは、言外に相手のためになることを前提とし、その上で、わが身に返ってくることを示唆するものでした。
人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、やがてはよい報いとなって自分にもどってくる、ということ。
誤って、親切にするのはその人のためにならないの意に用いることがある。
・濡れ手で粟
濡れた手で粟をつかむと、簡単にたくさんついてくる。何の苦労もせずに大きな利益を得ることのたとえ。
・憎まれっ子世にはばかる
人から憎まれるような子は、世間に出ると幅をきかし、威勢をふるう。
はばかるにはふたつの意味があり、その1つが「差し障りをおぼえてためらう。気がねする。遠慮する。」とあります。こちらの意味で人から憎まれるような子は世間に気兼ねしてひっそり生きているみたいな・・・。
意味が解らなかった諺
次は諺は聞いたことがあり、知っていたけど今まで調べることもなく過ぎ、意味がよくわからなかったもの。
・葦の髄から天井を覗く
葦の茎の管を通して天井を見て、天井全体を見たと思いこむ。自分の狭い見識だけで広大なことについて勝手な判断をすることのたとえ。
※同じような諺に「井の中の蛙、大海を知らず」がありますね。
自分の狭い知識や経験にとらわれ、他に広い世界があるのを知らないことのたとえ。
・人間万事塞翁が馬
一見、不運に思えたことが幸運につながったり、その逆だったりすることのたとえ。幸運か不運かは容易に判断しがたい、ということ。
昔、中国の北辺の老人(塞翁)の飼っていた馬が逃げたが、後に立派な馬をつれて帰ってきた。
老人の子がその馬から落ちて脚を折ったが、そのために戦争に行かずにすんだ。
このように人生の吉凶は簡単には定めがたいことをいう
犬も歩けば棒に当たる
あまり出しゃばった行動をすると、思わぬ災難に会う
何か行動を起こせば、思ってもいないような幸運に巡り合える
もともとは一つ目の意味で「でしゃばることへの戒め」として使われていましたが、現在は「行動を起こすことのメリット」として使われていることわざです。
労をいとわず動きまわるうちに思いがけない幸運に遭うことのたとえ。また、物事を積極的に行う者は、それだけ災難に遭うことも多いというたとえ。
日常の中できくことのある諺
あなたも身近で聞いたことがあると思われる諺も、ついでに調べたものもいくつか書きとめておきます。
今一度あっているのかな?と確認してみるのもいいかと思います(^^)
・雨降って地固まる
もめごとなど悪いことが起こったあとは、かえって基盤がしっかりしてよい状態になることのたとえ。
・石の上にも三年
冷たい石の上でも、三年もすわり続けていれば石が温まってくる。最初は辛くとも、三年も辛抱すれば報われることのたとえ。
・帯に短し襷(たすき)に長し
帯には短く、タスキには長すぎる。結局のところ、中途半端で何の役に立たないことのたとえ。
・聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥
知らないことをたずねるのは、その場は恥ずかしい気がするが、聞かずに知らないままに過ごせば、生涯恥ずかしい思いをしなければならない。知らないことは積極的に尋ねるがよい。
・窮鼠猫を噛む
追い詰められて逃げ場がなくなったネズミは、猫にかみつく。弱者も絶体絶命の窮地に追い込まれると、必死に反撃することのたとえ。
・怪我の功名
あやまちや事故によって、思いがけないよい結果がもたらされることをいう。転じて、特に意図しないのに、好結果がもたらされたこともいう。
・青天の霹靂
思いがけず生じる大事件のたとえ。
・立つ鳥跡を濁さず
去っていく者は、跡が見苦しくないように始末してから出立しなくてはならないというたとえ。また、引き際がいさぎよく、さわやかなたとえ。
・鉄は熱いうちに打て
鉄は熱いうちに打って、成形しなくてはならない。物事には時機があり、好機を逸してはならないことのたとえ。また、教育や鍛練は若いうちにすべきであるというたとえ。
・出る杭は打たれる
才覚をあらわす者は妬まれ、妨げられることのたとえ。また、出過ぎたふるまいをすると憎まれることのたとえ。
・灯台下暗し
灯火をともす照明具の下の辺りは、周囲よりも暗い。世間のことをよく知っている人も身近な事柄に意外にうといことや、近くにあるものには案外気づきにくいことのたとえ。
・喉元過ぎれば熱さを忘れる
熱いものも、飲みこんでしまえばその熱さを忘れてしまう。苦しいことや辛いことも、過ぎてしまえば忘れることのたとえ。また、苦しい時に人から受けた恩もやがて忘れ、ありがたく思わなくなることのたとえ。
・能ある鷹は爪を隠す
本当に有能な者は、偉そうなことを言ったり、むやみに能力をひけらかしたりしないというたとえ。
・人を呪わば穴二つ
人を呪うと、呪った相手と自分のために二つの墓穴が必要となる。人を陥れようとすると、自分もまた同じ目に遭うというたとえ。
・笑う門には福来る
なごやかで笑いのたえない家には福の神が訪れ、繁盛する。
・日日是好日
来る日も来る日も、楽しく平和なよい日が続くこと。一日一日を大切に生きる心構えをいう。
・良薬口に苦し
よい薬は苦くて飲みにくいが、病気の治療にはすぐれたききめがある。転じて、過ちを指摘し、いさめてくれることばは素直に聞き入れにくいが、本人のためになることのたとえ。
・泣きっ面に蜂
泣いているときに顔を蜂に刺されて、いっそう辛い思いをする。悪いことが重なること、不幸な上にさらに辛いことが加わることのたとえ。
・背に腹はかえられぬ
同じ身体の一部でも背と腹をとりかえることはできない。大切なことのためには、他を顧みる余裕がないことのたとえ。大きな苦痛を避けるためには、小さな苦痛はやむをえない。背中に腹はかえられぬ。背より腹。
よくきく諺 さいごに
ことわざを調べていて意味などの解説を読んでいると、そんなに違いはないけど誤解して覚えていた物もありました。
そして調べて書いている間は、日常でもつい頭にことわざがうかんできたりします(^^;) ひとの行動やニュースをみたりしてもことわざが浮かびます。
そのたびに、先人たちはよくぞこんな簡潔なことばで言い表したものだと感心してしまいます。
ことわざはかなりたくさんありまして、日常でも何気なく使ったり浮かんだりするものもまだまだあります。
ここに載せたのはほんの一部なので調べたものだけでも全部載せるとかなりの量になります。
まだ知らないことわざなどもあると思いますが、まずは知っているものだけでも使い方を間違えないようにしたいと思います。