お正月飾りの角松、最近はあまりみかけなくなったような気がします。
いろいろなお正月飾りがなんのための行事なのかということを忘れて、お正月だからという形だけになってきています。
賃貸マンションなどの場合、はなから飾る場所もないし・・・
ということであまり門松とかは関心がなかったのですが。
お正月飾りについていろいろ調べていく内に門松もなぜ飾るのか?など、意味を理解し、できれば飾りたいと調べてみました。
門松の飾り方
門松を一対に置きます。
地方により門松の様式に差があります。
関東では、3本組の竹を中心に、周囲に短めの若松を配置し、下部をわらで巻くという形態が多いです。
関西では3本組の竹を中心に、前面に葉牡丹(紅白)後方に長めの若松を添え、下部を竹で巻きます。
門松には竹が3本立っていますが、商店や会社など「商売繁盛」を願う場合は長い部分を外側にして置きます。
家庭などで「家内円満」を願う場合は長い部分を内側にして置きます。
門松に関しては特に絶対的な決まりは無いようなので、地方や風習、その家々等によると思います。
本来の角松は、植木職人などに依頼して設置から撤去までお願いするようです。
その際相談できるのではと思います。
最近では集合住宅の発達など環境の変化から一般家庭用に小さな寄せ植え風の門松などが年末に店頭に並ぶようになってきました。
さらに省略版として、枝振りのいい若松に、赤白や金銀の水引を蝶結びにし、門柱などに付ける方法もあります。
また、スーパーや商店では「賀正」「謹賀新年」といった語と、新年のあいさつ文、門松や鶴、亀、日の出などの縁起物の絵を印刷したポスターを張って済ますこともあります。「門松カード」と呼ぶものを市役所や公民館などで配布している自治体もあります。
生花店やホームセンター、造園業や工務店などで作られ、設置・撤去まで一括でおこなうサービスもあるようです。
アパートやマンションに飾る場合
最近の門松はデザインやサイズもいろいろな物が販売されています。
「ミニ門松」や「寄せ植え風門松」などがあります。
これらの略式門松なら、アパートやマンションに住んでいても場所を取らないので、玄関内の床スペースに飾ったり、下駄箱の上に小物として飾ってもよいかもしれません。
「門松リース」や「略式門松(竹ではなく松の小枝を紅白の和紙で巻き、金銀の水引で結ぶ)」を手作りするのも良いですね。
町内会などで門松カードが配布された場合は左右並行に貼ります。
門松とは意味と由来
先に門松の飾り方をご紹介しましたが、門松を飾る意味や由来も知っておきたいですよね(^^)
門松(かどまつ)とは、正月に家の門の前などに立てられるお正月飾りのこと。
くらいは知っていますが(^^;
はて、本来の意味や由来?いつ飾る?などと疑問はいろいろ。
調べてみると面白い話もありました。
門松の呼び名は門に松を飾るというところからと思いますが、他にも 松飾り、飾り松、立て松などの呼び名もあるようです。
お正月には各家々に訪れる年神様をお迎えしてお祀りします。
木の梢に神が宿ると考えられていたことから、門松は年神様を家に迎え入れるための目印、依り代という意味があります。
神様が宿ると思われてきた常盤木(ときわぎ)の中でも、松は「神様を待つ」「祀る」につながる樹木であり、古来中国でも生命力、不老長寿、繁栄の象徴とされてきたことから、日本でも松をおめでたい樹として、正月の門松に飾る習慣となって根付いたんですね。
門松に松以外の常緑樹で杉、楠(くすのき)、榊(さかき)などを用いるところもあります。
門松の形も、様々なものがあります。
「関東」では、松は竹よりも低く竹の足元に挿していますが、「関西」では、松は竹よりも高く、竹を扇型に囲むように挿します。
その他にも地方や習慣によって様々な形があるようです。
門松の始まり
平安時代に、貴族達が好んだ小松引きと言う行事(正月最初の子の日に、野山に出かけ小松を根ごと引き抜いて持ち帰り長寿を願い和歌を詠むという宴)が起源のようです。
平安時代末期になると正月に家の門の前に松を一本立てて年神様に長寿・五穀豊穣を祈願するという習慣となって根付いていきました。
この時代の門とは家の出入り口ではなく、建物の前の庭の真ん中だったようです。
室町時代に現在のように玄関の飾りとする様式が定着したと云われています。
江戸時代に都市部では、竹は長寿の象徴でめでたいものとして考えられるようになり、この頃から日本に竹が普及し、門松にも竹が使われるようになりました。同時に家の出入り口(門)の、左右に門松を配置し、「対」にするという習慣ができたようです。
門松に使われるものは松・竹・梅が基本になります。
松と共に長寿の象徴である竹と、寒い時期にも花を咲かす梅を組み合わせ「松・竹・梅」の形を成している門松が、一般的な門松と言えます。
門松に使われるものの由来
松は一年中葉を落とさない常緑樹としても知られており、古代より、年神様が宿る神聖な木として、長寿のシンボルとなっていました。
門松で使用される松は黒松(雄松(おまつ))が一般的です。
門松には「雄松(おまつ)」と「雌松(めまつ)」とそれぞれ区別が付けられています。
一般的に向かって左側に雄松、向かって右側に雌松を飾ります。
竹は、とても生長が早く2~3日で身の丈程になります。
真っ直ぐ上に伸びることから、生命力を象徴しているとされ、長寿であることから、長寿、繁栄の象徴ともされています。
また、竹は成長する過程の中で節目を作りながら伸びるため、強風で折れることなく、しなやかに生長していきます。
その姿は人生の節目にもたとえられ、人生の節目を苦労して乗り越えていくことで、強くたくましく、しなやかに、竹の様に生きよと言われます。
竹の先端部の形状は、斜めに切った「そぎ」と、真横に切った「寸胴(ずんどう)」の2種類があります。
「そぎ」は徳川家康が始めたものと云われています。
徳川家康の生涯唯一の敗北として知られる1572年の「三方ヶ原の戦い」のあと、竹を対戦相手の武田信玄の首に見立てて斜めに切り落とし、次は斬るぞという念を込めたのが始まりという説があります。
門松では、一般的に以真竹(マダケ)・孟宗竹(モウソウチク)が使われています。
梅は寒さに強く、1年の中で最も早く花が咲き、実を付けることで大変縁起の良いものとされてきました。
一年の始まりを意味するとして、古代より日本人に親しまれています。
めでたい紅白色の紅梅や白梅を用いられることが一般的です。
実際門松には、梅の枝を使用することが多いのですが松の内には梅の花は咲かないため、造花を使用することもあるそうです。
南天は、ナンテン(難転)「難を転ずる」に通じる縁起物として、正月飾りなどに用いられます。
また、南天の他に「千両」が使われることもあり、こちらは子孫繁栄やの象徴とされています。
葉牡丹は、幾重にも重なり合う葉が、「吉事が重なる」とされ、晩秋から冬にかけて鮮やかな葉の色が特徴で江戸時代から楽しまれてきました。
門松を飾る時期と仕舞う時期
門松の飾りはじめは「松の内」に入る12月13日以降ならばいつでも良いのですが、クリスマスは避けて飾られるる傾向があり、12月26日以降30日までに飾るのが一般的です。
ただし、12月29日に飾るのは「二重苦」「苦松」などを連想され、また12月31日に飾るのは「一夜飾り」「一日飾り」といって神様をおろそかにするということから、それぞれ避けることとされています。
門松も他のお飾りと一緒で、飾るのは松の内の間です。
松の内は1月7日までという地域と1月15日までという地域があります。
門松を片付けることを、松下ろし、松あがり、松払い、松引き、松送り、松納め、などといいます。
松の内が終われば片付けます。
片付けた門松は、どんど焼き・左義長(さぎちょう)と言われる、炊き上げをする儀式があります。地域によってさまざまなので地域名+で検索すると詳細情報が解ると思います。それに合わせて仕舞うようにするのも良いでしょう
門松の処分方法
神社に奉納する方法と自分で処分する方法があります。
・門松を処分するにあたり、一般的方法が、神社で行われる※左義長(さぎちょう)と言われる儀式です。
左義長は1月15日の小正月が多いですが、地域や神社によって日時が異なる為、また、左義長を行っていない地域もあるので、事前に、各自の地域でご確認が必要です。
・神社に行く暇がない、お近くの神社で左義長を行っていない場合は「一般ゴミ」として処分します。
一般ごみとはいっても、やはり神聖なものです。
細かく分解して、お塩でお浄めして手を合わせ、丁寧に模造紙や新聞紙に包んで、他の生活ゴミが入った袋とは別の袋に入れて出します。
また、大きさによっては粗大ゴミになります。それぞれの地域のルールを確認してください。
門松 さいごに
門松を飾るのが難しければ昔のような「松の小枝を紅白の和紙で巻き、金銀の水引で結ぶ」ものなどを飾るのでも神様への目印になるんではないでしょうか(^^)。
これも気持ち次第だと思います。