新年になるとタオルなどをもって新年の挨拶まわりをしたり、お付き合いのある方に「お年賀」と書いた手土産を持って新年に訪問したりします。
御年始は行動を意味して、お年賀は挨拶代りの品物と理解していたけど「御年始」と書かれたものを頂いたこともあります。
はて、お年賀と御年始はどうちがうのか?
お世話になった方への挨拶ならお歳暮だけでいいのでは?
悩むところです
お年賀と御年始の意味
お正月には古くから年神様をお迎えして祀る習慣があります。
お正月の年始挨拶には、年神様を祀る神棚や仏壇へのお供え物を「御歳魂」として互いに持参する習わしが年賀の起源とされています。
それがいつしか手土産を持参するという形に変わり、子供達へは「御年玉」、家人へは「御年賀」と表書きして贈られるようになったようです。
現在では相手に感謝の気持ちと今年もよろしくお願いしますという気持ちを伝える贈り物として伝統が残っています。
年始は年の初めのことで、新年の祝いの言葉を述べるために、親戚・知人・近隣を訪問することとあります。
御年賀のことばの意味
ことばの意味から探ってみますと・・・
各辞典から引用
(ブリタニカ国際大百科事典)
・お年賀は年賀の美化語です(年賀に御をつけたもの)
年賀には長寿を祝う年祝いの意味と,1年の初めに行う儀礼的な挨拶の意味とがあります。
ここでは、年始の挨拶の方になります。年始礼,年礼ともいいます。
(デジタル大辞泉)
・新年を祝うこと。また、その祝い。
(百科事典マイペディア)
・年の初めに賀詞を述べる儀式。新年の祝い。
一般に回礼のかたちで行われる。回礼を書信に代えたものが年賀状。
(大辞林)
・新年を祝う挨拶。また、その意を込めて贈る品物。
(日本大百科全書ニッポニカ)
・→年始
・年始より
年賀、年礼ともいい、新年にあたり他の家を訪問して祝賀の挨拶を述べること。またその際の贈答品をいう場合もある。
お年始のことばの意味
(デジタル大辞泉)
・年始とは年のはじめ。年頭。年初。新年を祝うこと。また、新年のあいさつ。年賀。
(世界大百科事典)
・年賀,年礼(としれい)ともいい、新年にあたり他の家を訪問して祝賀の挨拶を述べること。
またその際の贈答の品をいう場合もある。
年始の形式には正式に訪問して饗宴を受けるもの、門礼(かどれい)といい門口や玄関で祝詞を交わすのみで次々と回礼して歩くもの、また総礼、一統礼(いつとうれい)、名刺交換会などと称し、回礼を省略化し地域の者が一堂に会して行うものなどさまざまあるが、本来は一族の者が本家に参籠し、歳夜をともに明かして祖霊や歳神を祭り迎える儀式であったといわれている
(大辞林)
・年の初め。年頭。年の初めを祝うこと。また、年頭の挨拶。年賀
(日本大百科全書ニッポニカ)
・新年に際しての挨拶や贈り物のこと。年賀、年礼などともいう。
年始は本来、氏神社や本家に集まり、そこで年ごもりをして新しい年を迎える儀式であったといわれるが、現在はもっぱら年頭の回礼を意味している。・・・・新年を祝う贈り物が年玉と重ねられて広く展開したのに対し、回礼は、明治期におこった名刺を送ることや、その後の年賀状の盛行によってしだいに衰退していった。
どちらも新年を祝う挨拶という意味がありますが、年始は年の初め、年頭の意味もあります。
年賀には、年の初めを祝うという意味と長寿などを祝うという意味があります。
御年賀と御年始どうちがう?
お年賀も御年始もことばの意味を調べると同じような意味です。
現在では、年始⇒年頭の回礼(念頭に挨拶して回ること)が年始回りで、お祝いの挨拶をする行為
年賀⇒年始回りの際の挨拶やお祝いとして持参する贈答品のこと
と理解していいのではないかと思います。
年始=年賀と解説しているところもあります。
言葉的には同じですが、使い方としては、普段私たちが使う時のことばから
年始は挨拶をして回る際に「御年始回りに行く」「御年始の挨拶に伺う」というような使い方をします。
また、年始回りの際に表書きに「御年賀」とかいた手土産を持参し、「御年賀を持っていく(贈る)」というようにつかっているかと思います。
御年賀は必要?
年末にお歳暮を贈ったから御年賀をもっていく必要はないという話をききます。
どちらも感謝の意を込めての贈り物ですから、どちらか片方でよいのでは?ということですね。
一般的には、お歳暮を贈っている場合は「御年賀」は不要とされています。
年末のお歳暮には1年間お世話になりましたという感謝の意味で、1年のしめくくりとして贈ります。
年始の御年賀は1年の始まりの挨拶として感謝と、これからもよろしくお願いしますという意味もこめられていますよね。
それぞれ季節の挨拶のひとつで、贈る時期で名前がちがうわけです。
お歳暮と御年賀もというと、贈る時期も近いので、双方とも負担だったり、気兼ねしたりというのがあります。
でも、どちらか一方だけにするという決まりはありません。
お歳暮を贈った相手に年始の挨拶に伺う時に、手ぶらで行くのも気が引けるということもあります。
人と人とのお付き合いの中でのことなので、その場合はどちらも負担にならないような菓子折りとかを持参するというのがよいのではと思います。
逆にお歳暮を贈らなかった場合の御年賀は、年末のご挨拶ができずに申し訳ありませんという意味も込めて、少しあらたまった品を持参するというのがマナーのようです。
要・不要を決まりとして対処するのではなく、関係の中で都度判断するのがいいのではないでしょうか。
御年賀と御年始についてのまとめ
言葉の意味をきちんと知りたいといろいろ調べてみましたが・・・なかなか難しいですね。
さまざまなサイトや辞典、あるいは書籍などでみても、いろいろ解釈や時代によって変わってくるものもあり、ある程度の共通項で納得して、自分なりに解釈するのが妥当と思いました。
お返しの要・不要などについては賛否両論。
言葉の意味でも、まっこうから反対のことがかかれているものもありました(^^;
どうすりゃいいのさ。
ということで、ここでは、調べた結果を総合的に自分なりに解釈したものとなりました<(_ _;)>
参考にしていただければと思います。
マナーについても調べたいと思います。次回の記事にて。