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おせち料理の食材に込められた意味とは?縁起物をお正月に食べるわけ

お正月になると食卓にでんと重箱がおかれ、中にはいろとりどりのおせち料理。
今では正月元旦から営業しているスーパーやデパートもあり、24時間開いているコンビニやファミレスがたくさんあるので、日持ちのする冷めた料理をわざわざ食べたくないという意見も多くききます。

それでも、作らなくても買ってでも、お正月にはおせち料理という習慣が根付いています。

そんなおせちの食材の意味を調べてみました

 

お正月におせち料理を食べる理由

そもそもおせち料理が日本の習慣になった昔はお店などなく、全て自分たちで作っていた時代です。

おせち料理の意味は、元々は、年神様初め神々を迎える最初の儀式で、お供え物ということでした。

おせち料理は神様と共食する雑煮をつくるほかは、火を使う煮炊きをできるだけ避けるという風習に基づき、また正月の間これを食べるということで日持ちする物でできています。

主婦を正月の間くらい家事から解放するという意味もあります。

そして、少し前の日本では、今のような便利さもあまりなかった頃ですね。

正月に開いている店もほとんどないのが普通でした。

少なくとも正月三が日は保存のきく食べ物で過ごすのが一般的で、そういった中でい発展してきたのがおせち料理です。

おいしい、まずい、の前に、新年を迎えたお祝いとして存在するおせち料理は、さまざまな願いを込めた料理です。

無事新年を迎えられたおめでたい日の初めに、昔の人たちの思いなんかを感じながら、料理に込められた願いと共にお雑煮やおせち料理を食べてみたいと思います(^^)

 

食材にこめられた意味と由来

食材のひとつひとつにも、そういった昔の人の願いや思いがこめられ、それぞれに意味があるのがおせち料理です。

そのおせちに使われる食材は基本13品。

おせち料理を分類すると5種類になります。

祝い肴  黒豆・数の子・田作り

口取り  きんとん・昆布巻き・紅白かまぼこ・伊達巻き・たたき牛蒡・

●祝い肴・口取りは、お祝いごとやおもてなし料理の膳)でお吸い物と一緒に、最初に出されるお酒の肴の料理を意味します。

焼き物  海老・ぶりの焼き物

酢の物  紅白なます・菊花かぶ

煮物   煮しめ

これらの食材のひとつひとつの意味をまとめてみました。

 

 

 

おせち料理の食材の意味や由来

祝い肴・口取り

・黒豆 「まめ」は元来、丈夫・健康を意味する言葉です。黒く日焼けするほど達者(マメ)に働けるようにと、邪気を払い長寿と健康(無病息災)を願ったもの 「まめに働く」などの語呂合わせからも、おせち料理には欠かせない料理です。
・数の子 数の子はにしんの卵で、数が多く、また、ニシンは「二親」に通じることから、五穀豊穣と子孫繁栄を願ったものです。
・田作り カタクチイワシを田の肥料としたところ五万俵ものコメが収穫できたという、いわれに由来。「ごまめ」は「五万米」であり「田作り」の名とともに五穀豊穣を願ったもの。小さくても尾頭付きということもある。
・栗きんとん 搗ち栗は「勝ち」に通じることに由来。「金団」とは金色の団子という意味で、金銀財宝を意味しており金運を願ったもの。ただし、栗を用いるようになったのは明治時代以降とされています。豊かさと勝負運を願って黄金色に輝く財宝にたとえて、豊かな1年を願う料理。日本中どこにでもある栗は、山の幸の代表格で、「勝ち栗」と言って、縁起がよいとして尊ばれてきました。
・昆布巻き 「喜ぶ」の語呂合わせ。また、昆布は「ひろめ」あるいは「えびすめ」とも称された。「ひろめ」は末広がりである昆布の形状に由来する。また、「昆布」に「子生」の字をあて子孫繁栄を願ったものともいわれる。昆布巻きは伊達巻と同じく巻物(書物)に似た形から文化・学問を象徴する意味を持つ。日本料理の必需品、昆布で健康長寿を昆布は「喜ぶ」の言葉にかけて、正月の鏡飾りにも用いられている一家発展の縁起ものです。おせち料理には、煮しめの結び昆布、昆布巻となかなかの活躍です。
・紅白かまぼこ  紅白二色のかまぼこ。形状が初日の出の形に似ていることから用いられる。赤色は魔除け、白色は清浄を意味している。紅白は祝の色で縁起が良いとされる。
・伊達巻き 「伊達」の由来は華やかさや派手さを表す言葉で伊達政宗の派手好きに由来するなど、諸説ある。見た目の豪華さで定番。巻物(書物)に似た形から文化・学問・教養を持つことを願う縁起物。江戸時代、長崎から江戸に伝わった「カステラ蒲鉾」が、伊達者(シャレ者)たちの着物に似ていたので伊達巻と呼ばれるようになったようです。また、昔は大事な文書や絵は巻物にしていたので、おせち料理には巻いた料理が多くあります。
・たたき牛蒡 たたきごぼうは豊作と息災を願ったもの。細く長く地中にしっかり根を張るごぼうは縁起のよい食材として様々に使われています。たたきごぼうは、軟らかく煮たごぼうを叩き、身を開いて、開運の縁起をかついだもの。ごぼうの産地である八幡の名をとった、牛肉の八幡巻、穴子の八幡巻も正月らしい巻もの料理です。

焼き物

・海老焼き 赤色は魔除けの色とも云われています。魔除けとは別に朱色の晴れやかさから祝肴に使われるという説もあります。長寿を祈願した縁起物ひげが長く腰が曲がっている様子に由来しています。また、海老は脱皮することから生命の更新を意味するもの、または、脱皮を繰り返していくことから出世を願うものとされる長生きの象徴 おせち料理には、小えびを串で止めた鬼がら焼がよく用いられます。
・鰤の焼き物 出世魚であることにあやかったもので、出世を祈願して用います。
地域によっては鮭の塩引きを使うところも。

酢の物

・紅白なます  大根と人参を用いたなます。祝い事に用いる紅白の水引にあやかる。紅白でおめでたいさっぱり料理  生の魚介と大根、にんじんと酢で作ったことから、なますの名がつけられました。今は生の魚介の代わりに、干柿や昆布、ゆずの千切りも用いられます。
・菊花かぶ 旬のかぶもめでたい形で冬が旬のかぶをおめでたい菊の形に飾り切りし、紅く染めて、紅白の酢のものに仕立てたのが菊花かぶです。消化によい栄養素を含み、ご馳走の中の箸休めにぴったり。

煮物

・煮しめ  煮しめは子宝祈願と先見祈願。これらを重箱に詰め重ねる事でおめでたい事が重なるようにと願っていたのです。陣笠椎茸・楯豆腐・手綱こんにゃく・芽出しくわい・花蓮根・八ツ頭・金柑・梅花にんじんなどの縁起物の煮物 

 

その他の食材
・錦玉子
黄身と白身の2色が美しい錦玉子は、その2色が金と銀にたとえられ、正月料理として喜ばれます。2色を錦と語呂合わせしているとも言われます。

・お多福豆
文字通り福が多からんことを祈願したもの。福を招く豆料理
空豆の一種で、その形が、ふくよかなおたふくの顔に似ているところから、お多福豆と呼ばれています。

・鯛の焼き物
祝い事の定番。縁起物でめでたいに通じるから「めでたい」の語呂合わせから。

・鰻の焼き物
鰻登りから出世を祈願。

・するめ 
祝い事を表す縁起もの。 「寿留女」の字をあて、結納の品として使用され、めでたい祝儀の膳に欠かせない品でした。 恵比寿神を奉るエビス棚には、しめ縄が飾られ、するめ・昆布・新巻鮭などを飾る習慣がありました。寿とは、幸せのこと祝事を表す言葉です

・ちょろぎ
植物の根をシソ酢で赤く染めたもの。多くの場合、黒豆と共に盛り付けられる。「長老木」、「千代呂木」あるいは「長老喜」の字をあて長寿を願う。

・酢蓮
レンコンの酢の物。穴が多数ある蓮根は将来の見通しがきくという意味の縁起かつぎである。

・小肌粟漬
将来の出世を願って。 小肌はコノシロという魚の成魚になる前の名前。
出世魚なので縁起がよいといわれています。黄色はクチナシで染めた粟で、五穀豊穣を願っています。

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おせち料理は重箱につめます。基本は四段重ねで、上から順に、一の重、二の重、三の重、与の重、と呼びます。(「四の重」と言わないのは「四」が「死」を連想させ縁起が悪いとされているから。)

重箱は外を黒塗り、内を朱塗りとしたものが正式とされています。
重箱に詰めるのは、めでたさを「重ねる」という意味で縁起をかついだものです。
重ねた時に1番上にくる「一の重」には、祝い事にふさわしい祝い肴(ざかな)と口取りを詰めます。

四段重の一般的な構成に次のようになります。
” 一の重には祝い肴のうち三つ肴と口取り。
” 二の重には焼き物。
” 三の重には煮物もしくは酢の物
” 与の重には酢の物もしくは煮しめ

 

おせちの食材 さいごに

おせち料理というのは、おせち自体も縁起を担いだり、願いを込めたりしていますが、その食材のひとつひとつ、詰める重箱にさえも意味をもたせ、すべてが祈願や縁起なんですね(^^)

 

そんなことを思うと、おせちを頂くのにも、楽しみが増えるというものです。

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