雛飾りは雛人形だけでなく、各段にもお飾りや御道具があります。
お雛道具は雛人形を引き立てる小物でそれぞれに意味があります。
また、六段目や七段目には嫁入り道具が飾られています。
見ているだけでも楽しくなるお道具たちです。
それぞれの名前やなんのためのものかまとめてみました。
雛人形と並んで飾られているもの
・雪洞(ぼんぼり)
下座の台座を長柄で支えるロウソク立てです。
・三方揃(さんぽうそろい)
最上段には男雛と女雛の間に飾ります。
くり取った穴が三つの台でおもてなし用。
三宝には、瓶子(壷の一種)と水引で飾られた熨斗に紅白梅の花が載っています。
・緋毛氈(ひもうせん)
雛壇の敷物のことです。
・高坏
二段目三人官女と共に同じ壇にあります。
・桜・橘(さくら・たちばな)
「右近の橘」、「左近の桜」とも呼ばれます。
この場合はお内裏様から見た場合の左右ですから、向かって右が桜となります。
・懸盤膳(かけばんぜん)
お膳の高級品の型。
四方側面に格狭間(こうざま)を大きく透かした足の縁に盤を載せ懸けた構造から懸盤といいます。
黒漆金蒔絵の装飾が施されて豪華です。
隋臣の段に菱餅と一緒に飾られています。
・菱台・菱餅(ひしもち)
菱餅の三色は、ピンクは桃の花を、白は地上に残る雪、緑は雪の下に芽吹く新緑を表しています。
赤色は解毒作用のある赤いクチナシ、緑色は厄除けの力があるとされる「よもぎ」、白色は血圧降下作用のある白い菱(ひし)の実を用いました。
いずれも 薬効のあるものを並べたということですが、着色の材料として古来より伝わっていたものだと思います。
縁起がよく生命力があり、女の子の健やかな成長を願うひな祭りにふさわしいものです。
御道具はお雛様(女雛)の御嫁入道具
鏡台や茶道具、重箱などのお道具は、お嫁入りの道具です。
六段目と七段目はすべて御道具が並びます。
お雛様のモデルとされている平安時代の貴族のお嫁入り道具が、御道具として飾られています。
本物を真似て丁寧に作られた御道具は、眺めているだけでも楽しくなりますね。
・御駕籠(おかご)
・重箱
・御所車 牛にひかせる乗用の屋形車
御所車とも呼ばれます。乗る人の身分や用途によって、種類があり、名称も異なります。
・箪笥(たんす)
衣服や服飾用の小道具などを納める収納家具。
引出しがついていて、江戸時代になって現在の形がつくられました。
当然のことながら、お雛道具も江戸時代以降ということとなります。
・長持(ながもち)
衣服や調度などを納める長方形の大型の箱。
外出用のもので、吊り金具が両方についていて、棒を通して前後二人で担ぐように作られています。
・鋏箱(はさみばこ)
長持ちと同様に外出の際に必要な衣類・調度・装身具などを納めて、従者に担がせたものです。
四角形で、フタがついていて、棒をフタの上に通して肩に担ぎました。
古来、竹に衣服を挟んで運んだために、「鋏箱」という名前となりました。
大名行列では先頭を行くため、先箱「さきばこ」と呼ばれました。
・鏡台
・針箱
・火鉢(ひばち)
簡略形は四角の箱のみですが、正式な火鉢は「台火鉢」と呼ばれ、猫足形の4本の足のついた四角形をしています。
・台子(だいす)とお茶道具
茶の湯に使用される移動式の棚のこと。
正式な茶の湯に使用されるもので、風炉・釜・水指・建水・杓立・蓋置の皆具を載せたものです。
雛人形の片付け
ひな祭りの日が終わった後も雛人形を片付けずにいると結婚が遅れるという話は昭和初期に作られた俗説ともされています。
3月3日が終わったらすぐ片付けなければいけないという決まりはありません。
旧暦の場合、梅雨が間近なので、早く片付けないと人形や絹製の細工物に虫喰いやカビが生える、というのが理由とされています。
また、「おひな様は春の飾りもの。季節の節できちんと片付ける、などのけじめを持たずにいつまでも飾ってあると、だらしないということで嫁の貰い手も現れない」などの躾の意味からもいわれているようです。
雛飾りお道具 さいごに
私の雛人形はガラスケース入りの三段のもので、幼いころは引っ越しが多かったせいか、いつの間に壊れたのか姿をみなくなりました。
そんなこともあり、お道具のことを調べながら写真をみていると、つい本物の雛道具が欲しくなってしまいます。
よくできていてかわいらしいですよね(^^)
写真を眺めながら、そうか、こんな名前なんだ・・なんて思いながらまとめるのも楽しいひと時でした。
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