知り合いや友人が引越しをすると引越し祝いをしますが、引越し祝いに関して知っているようで曖昧な方も多いと思います。
マナーとしてやってはいけないことや御祝いの表書きなどに関して、また、品物を贈る時になにを贈るか迷って、一般的には・・・という意見で選んで、実は相手は迷惑しているというものもあります。
一般的な常識としての意味・マナーをまとめてみました。
目 次
引越し祝いの種類
引越しとは本来、個人や会社などが住まいを変えること(転居)を言います。
その引越しに際して相手の発展や繁栄を祈って贈るお祝いを引越し祝いと言います。
また引越祝いはどういった引越しなのかで言い方や表書きも異なります。
新築祝いと引越し祝い
●新築祝い
新しく家を建てたりマンションを購入しての引っ越しや事務所を建てた場合のお祝いは新築祝いになります。
家という人生においては大きな買い物が出来たことを祝い、新生活を応援する気持ちを込めたお祝いですね。
●引越し祝い
・新築ではない引越しの場合で、中古の一戸建ての家やマンションを購入した場合にお祝いする御祝いです。
・転勤による引っ越しでは引越し祝いというより栄転祝い・昇進祝などとなります。
状況によってはお祝いにならないこともあるので、その場合はお餞別ということになります。
●お餞別
・職場やお世話になった方が、賃貸の借り換えなどで引っ越す際は「餞別」になります
また、遠方に移転する方や旅行などで別れの印に贈る金品も餞別になります。
どの場合でも、今までのお付き合いや、お世話になったことに感謝の気持ちを込めて相手の状況に応じた お祝を贈ります。
引越し祝いを贈る時のマナー
新築祝いや引越し祝いでは、祝い金を贈るのが一般的ですが品物ということもあります。
御祝い金を贈るのはなぜというと、新居を購入した場合は引越しをするだけでも結構お金がかかります。
そこに家具や食器類、インテリアなども新しくすることが多く、そのために何かと物入りになります。
なので、親しい間柄なら、現金や商品券あるいはお金の代わりに欲しいものを尋ねてから贈るのが相手には嬉しいことなのではないでしょうか。
祝いを贈る場合の表書き
御祝い金を贈る際の表書きや熨斗は、引越しの状況によって言い方が変わります。
・新築祝い
表書き 御新築祝・御新築御祝・祝御新築・御祝い
御祝儀袋⇒・・・紅白の蝶結びの水引がついたもの
お祝いの品には、紅白の蝶結びの水引が印刷された熨斗紙に表書きをします。
名前・・・贈り主
・引越祝い
表書き 御転居御祝・御転居祝い・御祝い・栄転祝い・昇進祝・開店祝いなど
熨斗や御祝儀袋は新築祝いと同様のもの
・御餞別
単なる引越しの場合は「祝い金」とは言わず「餞別」といった言い方をします。
また、昇格による転勤かどうか分からない場合なども「御餞別」で構いません。
ただし、目上の人へ「餞別」と書くのは失礼にあたるので、その場合は「御祝」や「御餞」とすると良いです。
御祝い額の相場
・新築祝い
親戚なら 1~3 万円
兄弟姉妹 1~3 万円くらい
両親は 1万円~10 万円
上司、部下5,000~10,000円程度
職場の同僚3,000円~5,000円
・引っ越し祝い
大体 2000円~1万円といわれます。
関係の深さによって金額にある程度変動はあるようです。
・御祝い品の額としては
友人、上司、同僚への相場は3,000円~5,000円、
血縁関係にある身内への贈答品の相場は5,000円~10,000円以上
現金・ギフトカードの金額は奇数になるように。
昔から行事や祝い事、餞別などで包む場合、奇数にあたる金額が良いとされています。
奇数が良いとされている理由は諸説ありますが、次のようなものがあります。
「二」は分かれる(別れる)、「四」は死、「六」はろくでなし、といような具合であまり評判がよくない。
結婚式の祝儀は一万円か三万円か五万円かの奇数で二万円,四万円などはつつまない。
また葬儀の香典もすべて奇数で施すが、これらは、中国の陰陽思想で奇数が陽数である影響からきているのだろうか。病院の駐車場や病室は四という数字を飛ばしている。
(奇数の文化と偶数の文化より)
ただし、奇数でも9は「苦」を連想させるため祝い事では避けます。
引越し祝いに現金を贈る場合やギフト券などは奇数の「1、3、5、7」の金額を用意するようにしましょう
金額を決めるポイントは、相手に気を遣わせない金額にすることです。
相場はめやすなので、相手との関係からいくらにするか決めましょう。
同僚や上司への引っ越し祝いの場合は、職場でみんなでお金を出し合って「一同より」とすることもあります。
この場合は、特に個人でしないで足並みそろえましょう。
品物を贈る場合は、相手の趣味や、他の方の御祝いと重複することもあるので、必要なものを事前に聞いておいたほうがいいと思います。
引っ越し祝い・新築祝いを贈るタイミング
引っ越し祝いの基本マナーとして、引っ越し祝いは引越しの前後1ヶ月といわれています。
新築祝いの場合は”引っ越し後なるべく早く、1ヶ月以内”が理想ですが、事情があって遅れても2カ月以内なら問題ないようです。
もし新築披露パーティーなどの予定があるのなら、そのときにお祝いを持参するのがいいと思います。
餞別の場合は、その本来の意味合いからは引越し・転居前に送るものです。
後に知らせを受けた場合は、お付き合いの程度で、伺った際に少し改まった形の手土産などで祝福の気持ちをあらわすとよいでしょう。
NGなのは、引っ越しの直前や引越し後1週間くらい。相手も多忙なのでかえって迷惑になることがあります。
品物を贈る場合
身内や親戚だと、お金をご祝儀袋に包み渡すのが一番相手にも喜ばれるようですが、友人や知人の関係だとお金は渡しにくいというのがあります。
その場合、お金の替わりにギフト券や商品券でということもあります。
新居に呼ばれた時に手土産と一緒に渡すのがよいと思います。
一般的に、引っ越し祝いは現金よりも、調度品や飾り物などの品物を贈る場合が多いようです。
品物を贈る場合気を付けること
・火に関係、連想する品物は火事を連想させる縁起が悪いものと位置づけられているため避けます。
灰皿やアロマキャンドル、ライター、ストーブなど火に関係のある商品はもNGです。
また、同様の理由で色の赤い贈り物(赤い花、赤ワインなど)も嫌う人がいるので注意しましょう。
・壁や柱に穴をあける必要のあるものは、折角の新居に傷つけることになってしまうのでNGです。
新居ということで掛け時計や鏡、絵画なども思いつきがちですが、これらは避けた方がいいかもしれません。
・贈り先が目上の方であれば、スリッパやマット類など下に敷いたり履いたりするものもタブーです。
時計も時間を守れという意味合いから目下に贈るのが妥当だとされています。
贈る品物の選び方
相手が〇〇がいい、と言ってくれた場合は、予算内で相手の必要とするものを贈るのが一番です。
また、相手に聞けない場合など、なににしようか迷うものですが、おすすめというより、避けた方がよいかもしれないものをあげてみました。
相手の方にもよりますが、笑顔で受け取って本当は迷惑に思っている場合も結構あるようです。
あるアンケートでは次のようなものが迷惑な贈り物になっていました
1位 観葉植物
2位 食器
3位 花
4位 インテリア雑貨
5位 時計
6位 酒・アルコール
7位 タオル
8位 キッチン用品
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御祝いにはこれ!とお薦めの品としてあげられている贈り物の定番は実は困るものの上位になっています。
観葉植物は好きな人やいつも育てている人には喜ばれるかもしれませんが、置き場に困る・育てないといけないなど困るもののトップにあがっています。好きな人でも好みのものがありますしね。
また意外と受けが悪いのが食器。
これも贈ったことがあるという人はかなり多いようですが、
「食器は、もういらない!」とか、今あるものと合わない、趣味が違うということでいただいても箱にはいったまましまってあるという場合も多いようです。
花も不評です。引っ越しでは「花」は邪魔になるようです。枯れた後の処分の手間や、家に花瓶がないという場合もあるようです。
「インテリア雑貨」も趣味・センスが合わないインテリア雑貨をもらって困ったという方が。
「引っ越して荷物が減ったのに、物が増えては意味がない」との意見もあるようです。
インテリア雑貨以外でも、時計やタオルなど形に残る物は、趣味や好み、センスが問われます。
せっかく喜んでもらうために贈ったものが困りものになるのでは意味がありません。
相手のことをよくわかっていて、絶対に喜ばれるという場合以外はやめた方が無難です。
貰って喜ばれるものの上位はやはり「現金・祝い金・商品券・ギフトカード」など。
カタログギフトも良いようですが、金額によっては欲しいものがない!となることもあります。
贈り物の品は本人にきけるならきいて、望みの物を用意するのがベストです。
引っ越し後は家具や小物など何かと購入する機会が多いため、自分で好きな商品を選べる形の贈答品が好まれるようです。あとは、どうしても品物でというなら、実用的な洗剤やキッチン用品・高級なお菓子などの日常の消耗品がいいかもしれません。
引っ越し祝い さいごに
知っているようで知らなかった、ということがありましたか?
私はこれを書くまで火を連想されるものはNGというのを知りませんでした(^^;
意味を知るとそうですよね、と思うけど、日本人て縁起担ぎが好き!とあらためて実感しました。
引越し祝いを贈る機会には、今一度、マナーに気を付けて喜ぶお祝いを用意したいですね。
引越し祝いに関してはこちらの記事もご覧ください
引越し祝いとは? 新築祝いとはちがうの?引越し祝いは贈るべき?