2018年1/28に茨城県つくば市のサイクリングロードで70代の男性がイノシシに襲われ、右手の指を切断する大けがをしたというニュースが放映されました。
その後は70代の女性もイノシシにかまれてけがをしたということでした。
自転車で走っている時後ろからイノシシに体当たりされたという話でしたがイノシシが襲う?生態などよく知らないのでちょっと不思議。
猪の生態や遭遇した時の対策など調べてみました。
猪と遭遇
ニュースになったこのサイクリングロードは都心からもわざわざ走りに来る人気ルート。
イノシシは臆病なので人間を見ると逃げる、自分の身が危険と思うと突進してきます。
イノシシが人間のあとつけてくるのは、その人が持っている食料品が目当てとか・・。
どこかで人間の食べ物に味をしめたため、人間のあとをつけてくる・・・といった意見もありました。
これから春になって、出かけることも多くなり、そんな時、登山中やサイクリング、ハイキングなどでイノシシと遭遇したらと考えると、折角の楽しみも半減してしまいますね。
イノシシは割合からいえば、遭遇する可能性は熊より多いようです。
行楽シーズンになれば余計ですが、今でも現れているということは、自然の中へ行く場合は常に用心が必要ということになります。
イノシシの生態
体当たりされたら飛ばされるとか・・イノシシのこどもはうり坊といい、しましまだとか・・・
・成獣で体長は90cm~180cm前後、体重は80kg~180kg程度の大きさになります。
・200kg以上ある固体も居るそうで、猪と言っても侮れません。
・犬と同じくらい鼻が非常に敏感で神経質で警戒心の強い動物。
・見慣れないものなどをできるだけ避けようとする習性がある。
・非常に突進力が強く、ねぐらなどに不用意に接近した人間を襲うケースも多い。
・ダニ等の外部寄生虫を落としたり体温調節をするため、よく泥浴・水浴を行い、その後は体を木に擦りつける行動もたびたび観察される。
・特にイノシシが泥浴を行う場所は「沼田場(ヌタバ)」と呼ばれ、イノシシが横になり転がりながら全身に泥を塗る様子から、苦しみあがくという意味のぬたうちまわる(のたうちまわる)という言葉が生まれた。
・低山帯から平地にかけての雑草が繁茂する森林から草原が生息域で、水場が近い場所を好む。
・山林に生えている植物の根や芋、果実(ドングリなど)やタケノコ・キノコなどを食べる。
・芋類は嗅覚で嗅ぎ付け、吻と牙で掘り起こして食べる。
・動物質は季節の変化に応じて昆虫類・ミミズ・サワガニ、ヘビなどを食べる。
・簡単に手に入る農作物を求めて人家近辺にも出没、穀物、田畑で実った稲やトウモロコシも食害にあう。
・鳥類・アカシカ・小型哺乳類なども採餌するが、死骸が落ちていた時に食餌する。
・基本的には昼行性で日中に採餌のため徘徊するが、人間活動による二次的な習性で夜行性も示す。
・野生下での寿命は長くて10年で、一年半で性成熟に達する。
・幼少期には縞瓜に似た縞模様の体毛が体に沿って縦に生えており、成体よりも薄く黄褐色をしている。
・イノシシの幼少期は天敵が多く、この縞模様は春の木漏れ日の下では保護色を成す。
・その姿かたちからウリ坊・ウリン坊・うりんこ・うりっことも呼ばれ、この縞模様は授乳期を過ぎた生後約4か月程度で消える。
・繁殖期は12月頃から約2か月間続く。繁殖期の雄は食欲を減退させ、発情した雌を捜して活発に徘徊する。
・発情雌に出会うと、その雌に寄り添って他の雄を近づけまいとし、最終的にはより体の大きな強い雄が雌を獲得する。
・雌の発情は約3日で終わり、交尾を終えた雄は次の発情雌を捜して再び移動していく。
・強い雄は複数の雌を獲得できるため、イノシシの婚姻システムは一種の一夫多妻であるとも言える。
・雄は長い繁殖期間中ほとんど餌を摂らずに奔走するため、春が来る頃にはかなりやせ細る。
・巣は窪地に落ち葉などを敷いて作り、出産前や冬期には枯枝などで屋根のある巣を作る。通常4月から5月頃に年1回、平均4.5頭ほどの子を出産する。
・秋にも出産することがあるが、春の繁殖に失敗した個体によるものが多い。
・妊娠期間は約4か月。雄は単独で行動するが雌はひと腹の子と共に暮らし、定住性が高い。
・子を持たない数頭の雌がグループを形成することもある。
・短い足とずん胴な体に見合わない優れた運動能力を持ち、最高では約45km/hの速さで走ることが可能。
・実験では70kgの成獣が121cmの高さのバーを助走もなしに跳び越えることができた。
・立体感のあるものは苦手で、斜めに立てられた柵は越えることができない。
扁平になった鼻の力(実際には首~上肢の力)はかなり強く、雄で70kg以上、雌でも50-60kgもある石を動かすことができる。
・基本的には水を嫌い泳ぐことはないが、追い立てられたりして止むを得ず泳ぐこともある。
・犬かきで時速4km程度を出せ、30kmを泳ぐことも不可能ではないという。瀬戸内海では島の間を渡る猪がたびたび目撃されている
・積極的に前進することや向こう見ずに進むことを「猪突猛進」といい、これはイノシシが真っすぐにしか進めないところからきていると言われているが、イノシシは他の動物と同様前進している際、目の前に危険が迫った時や危険物を発見した時は急停止するなどして方向転換することができ、真っすぐにしか進めないという認識は誤りである
・猪の天敵はトラ・ライオン・ヒョウ・オオカミ・クマ・ワニ・大蛇などの大型肉食動物と本種の生息地が被る際には、主に幼獣を含む中小の個体が他の有蹄類と同様に捕食対象となるが、逆に大型の個体では撃退はおろか返り討ちにするケースも見られる。
イノシシの特徴・・・何が怖い?
・イノシシの成獣は70kgかそれ以上の体重がある上、時速45kmで走る事も可能。
・イノシシの全力の突撃を受けると、軽トラックも壊されたというくらいの衝撃です。並みの大人は簡単に弾き飛ばされます
・オスの場合には牙も生えているため、例え立ち止まっている場合でもオスの場合は鼻先をしゃくり上げるようにして牙を用いた攻撃を行う。
・オスの牙は非常に鋭く、訓練された猟犬であっても縫合が必要な大きな裂傷や深い刺傷を負う場合がある。・この牙による攻撃はちょうど成人の太ももの高さに当たるため、人間が攻撃された場合、大腿動脈を破られて失血死するケースが多く、非常に危険である。
・メスは牙が短い為、牙を直接用いた攻撃をする事は少ないが、代わりに大きな顎で噛み付く場合がある。
・メスであっても小動物の四肢の骨程度であれば噛み砕く程の力がある。
イノシシに遭遇したら?対策は
それでもお出かけはしたいですよね。登山やツーリング、暖かくなれば山菜取りやきのこ狩り、ハイキングに森林浴・・と自然の中に行く機会はぐっと増えます。
熊もですが、猪対策もしないとです。
イノシシ対策はどうしたらよいでしょう?
イノシシに遭遇しないための予防
遭遇しないのが最大の防御になります!
・いろいろ調べてみると、ほとんどが熊対策と同じようです。
熊よけ・熊撃退グッズ 山歩きには身を守る準備を!用意したいグッズ紹介
・意外と臆病みたいで、音をだしながらというのが効果があるようです。
徒歩の時にイノシシと遭遇するようであれば、鈴を身に付けていつも鈴の音が鳴るようにしておけばイノシシは近づきません。
鈴の様な 自然界にない 金属音は避け、あえて近づいてこないので予防になります。
イノシシに遭遇したら
それでも遭遇してしまったら、兎に角冷静になること。
路上でイノシシと遭遇したら・・どう対応したら良いのでしょう?(その場に隠れる場所がない場合)
イノシシが落ち着いた様子を見せているときは、近づかない、無視することです。
特に親子連れイノシシの場合は子供を守ろうとするので、近づくと危険です。
イノシシの子(うり坊)を見かけても、かわいいからと近づいたり追いかけたりしないようにしましょう。
近くに母イノシシがいる可能性があります。
嗅覚が優れていて、食べ物のにおいをかぎつけてやってくる場合があります。
できるだけレジ袋の口をしばるなどして、においが漏れないようにします。
万一、襲われそうになったら食べ物(買物袋やバッグ)を体から離します。
・通常イノシシと出会った場合は、イノシシの方から逃げてゆきますが、興奮したイノシシと出会った場合には、急に走り出したり後ろを向いたりすると更にイノシシを興奮させることがあります。
・イノシシがたてがみを逆立て、シュー、カッカッカッ、クチャクチャクチャ、と威嚇音を発している場合は、特に注意が必要です。イノシシを刺激しないようにしましょう。
イノシシが興奮しているときはゆっくりとイノシシと向かい合ったままで後退し、速やかにその場を立ち去るようにします。
・突進などの攻撃を仕掛けられたら、出来るだけ間際で交わすしかないでしょう。
実はイノシシはかなり臆病な性質で、イノシシ自身も相当ビビってるので、猪突猛進の攻撃を繰り返し続けることは、まずないということです。
本来イノシシは臆病な動物ですから人を襲うことは稀(まれ)ですが、ケガをしていたり、犬に追われたり、発情期(晩秋から冬)などで興奮状態にあったり、至近距離で突然出会った場合などは襲ってくることがあります
・また熊と同様に急に目の前で傘を開くなどもいいようです。
猪がこっちに向かって突進してきたら目の前で猪に向かって傘を広げて、こちらの身を隠すようにします。
猪は、突然向きを変えて戻っていきます。
猪は対象物が突然見えなくなることに対して不安を感じるらしく、これはすごく効果があるようです。
ポイントは直前で、バッと開くこと。
遠くからでは視界がさえぎれないから要注意だそうです。
とにかくイノシシと出会った時は冷静になって相手の出方をうかがいましょう。
万一に備えて登れる木があるかどうか周囲を見渡す余裕も忘れないようにします。
イノシシの習性として、斜めに立っている立体的な柵は飛び越えられないとあります。
イノシシは、とても跳躍力があり、1~1.2mは平気で跳躍できます。
ですが同じ1mの柵であってもイノシシ側に傾けることによって、飛び越える確率が激減したデーターから、そのような柵が多用されるようになったということです。
視覚で高さを判断しているため、手前側に曲げてあるとイノシシが見上げた時に実際よりも高い柵に見えるため飛び越えられないと思って諦めるという事です。
この習性は覚えておくといいですね。
イノシシの天敵はオオカミですが、オオカミがいるようなところには、人間もいかないですから(^^;
天敵効果を利用したウルフピーやライオンピー(動物園の狼やライオンの小便)は、鹿やいのしし忌諱剤があるようですが、これは畑やゴルフ場、高速道路などの侵入を防ぐために周囲に置くようなので登山などでは使えませんね。
試しにテント周りに置くとか、歩くときに腰にぶらさげるのはどうかと思い、メーカーに問い合わせたところ、臭いが強烈なので、無理という答えでした(^^;
猪の特徴や生態 さいごに
イノシシがどんな特徴や習性があるかわかったと思いますが・・遭遇しないようにしていても、いつ何時でくわすかわかりません。
イノシシ対策は熊と同じなので、グッズ(鈴とかフエ)はこちらを参考にしてください。
熊よけ・熊撃退グッズ 山歩きには身を守る準備を!用意したいグッズ紹介