お正月が近づくと準備するものがいっぱいあり、そのひとつにしめ飾りがあります。
毎年何気なく選んで玄関に飾っていたものですが、お店にいくとその種類の多いこと、またネットでみても形や飾りもさまざま。
デザインや値段から選んでいましたが、今回は本来の意味なんて調べてから選んでみようと思います。
お正月飾りはなんのため?
本来お正月は年神様をお迎えし、お祀りするためのものです。
昔の人は祖先の霊が田の神や山の神になり、正月には年神様となって、子孫の繁栄を見守ってくれるのだと考えていました。
日本では昔から、年神様は(正月様・歳徳神(としとくじん)とも呼ばれています)家々に新年の幸せをもたらすために、元旦に日の出と共に高い山から下ってやってくるという話があります。
そこで、たくさんの幸せを授かるために、年神様をお迎えしてお祝いする様々な風習や行事が生まれました。
新年の祝いの基本概念は古いものを終わらせて新しいものを迎えることです。
祝いの準備として、家を掃除して飾りつけ、「幸運」や「裕福」を意味する言葉と同じ音の食べ物を準備します。
お正月飾りはその年神様をお迎えする準備のひとつというわけです
正月飾りには様々なものがあります。
よく知られているものでは
門松・松飾り・注連飾り(しめ飾り)・注連縄(しめなわ) 玉飾り 輪じめ 神棚飾り
餅花 床の間飾り(床飾り)・生花・鏡餅・破魔弓
などがあります。
それぞれ意味がありますが、まず年神様をお迎えする玄関などに飾るしめ飾りについて調べてみました。
お正月にしめ飾りをするのは
しめ縄(注連縄)には、神の領域と現世を隔てる結界となり、その中に不浄なものが入らないようにする役目があります。
年神様をまつるのにふさわしい神聖な場所であることを示しています
もともとは、神社がしめ縄を張りめぐらせるのと同じ理由で、自分の家が年神様をお迎えするのにふさわしい神聖な場所であることを示すために始まったといわれています。
しめ縄やしめ飾りを施すことで、その内側が清らかな場所となり、年神様が安心して降りてきてくださいとアピールしているわけですね(^^)。
しめなわは、漢字で書くと「注連縄(しめなわ)」や「七五三縄(しめなわ)」「標縄(しめなわ)」とも書きます。
しめなわの「しめ」は「占める」という意味で、神前や神事の場に不浄なものの侵入を禁じる印として張る縄のことをいいます。
正式にはしめ縄に使う藁は、稲穂が出来る前に刈り取った稲を、乾燥した藁束を使用しらせん状により合わせた大きな糸のような象形に、紙垂(しで)をたらしたものをいいます。
古い年の不浄を祓い、新しい藁で新年を迎えるという意味があります。
神社などでも、神聖な場所や神域と現世とを隔てるための結界を張る意味や、不浄や災いを祓う意味としても使われています。
しめ飾り(注連飾り)というのは、しめ縄に縁起物などの飾りをつけたものをいいます。
江戸時代の頃から庶民の間でも、しめ縄に縁起物の装飾を施したもの(しめ飾り(注連飾り))を飾る習慣が根付いたといわれます。
しめ飾りも同様に、その内側が神聖な場所である領域だと示す結界の意味を持ち合わせ、歳神様を迎えるに相応しい場所であることを示すという意味のものです。
しめ飾りのお飾り
しめ縄につける飾りには主に次のようなものがあります。
・橙(ダイダイ) 家運隆盛
・・・完熟しても、落ちることなく冬を過ぎても枝についたまま年を越します。橙という名前から代々さかえるようにという願いを込めて飾りをつけます。しめ飾りだけではなく、鏡餅にも使われます。
・裏白(うらじろ) 不老長寿 心の清さ・潔白さ
・・・多年生でシダ科の植物。枯れずに新しい芽が生えてくる姿から、常に栄えるようにと言う願いが込められている。うらじろの葉の裏が白いことから白髪がはえても夫婦とも健康でいられるという願いがこめられている。など諸説ある。
・ゆずり葉 子孫繁栄
・・・子孫が絶えず繁栄していく願いがこめられています。ゆずり葉は橙とは逆で、枝先に若葉が出たあと、前年の葉がそれに譲るように落葉することから次の代に家を譲るとして、子どもの成長を認めて跡を譲るというおめでたい木とされています。
・紙垂(かみしで/しで) 神様の降臨を表す「神聖・清浄」の標章
神聖な儀式などに使われる、和紙の飾りです。しめ飾りにもよく使われますが、神社でのしめ縄や祭事にも使われます。形が稲穂を表し、その年の豊作を願って飾りがつけられます。
・前垂れ(まえだれ) わらの垂れ。「五穀豊穣」
・御幣(ごへい) 神祭用具の一つ。紙または布を切り、細長い木にはさんで垂らしたもの。紙などを細長く切ったもの。水の流れや「神様の依り代」を表す
・海老(えび) 腰が曲がるほどの歳まで生きる「長寿」
・扇(おうぎ) 「末広がり」で縁起がいい
・水引(みずひき) 「人と人、心と心を結ぶ」
しめ飾りの種類と飾る場所
「輪じめ(輪飾り)」や「玉飾り(玉締め)」と呼ばれ、神社などで飾られるしめ縄に縁起物を施したものや、しめ縄を輪の形に結い、両端を左右に一文字にしたもの(輪〆)、両端を垂らした物(玉〆)などが代表的です。
しめ飾りいろいろ
ごぼう注連
神棚に飾る、代表的なしめ縄は「ごぼう注連(ごぼうじめ)」。
ゴボウのように細いしめ縄ので、片側が太く、片側が細くなっています。
ごぼう注連の飾り方は、神は左を神聖な物としており、右を俗としているため、神様から見た左側(人が神棚に向かうと右側)に藁の太い部分が来るように飾ります。
神棚向きで飾る時は紙垂などをつけて飾ります。
ごぼう注連+前垂れ
ごぼう注連に前垂れ(わら)をつけたもののことです。
「紙垂」「裏白」「譲り葉」「橙」の意味が加えられたものになります。
西日本でよく見られるタイプで、玄関先に使われます。
玉飾り
しめ縄を輪っかにしたもので、前垂れ、紙垂、裏白、譲り葉、橙のほかに、末広がりで縁起が良いといわれる「扇」や腰が曲がるまで長生きするという意味のある「海老」、神様の形を表す「御幣」などの縁起物をつけたもののことを「玉飾り」といいます。
東日本でよくみられるタイプで、玄関先に使われます。
輪飾り
しめ飾りの種類としては、小ぶりなもの。
細いしめ縄を輪っかにしたものに、前垂れ、紙垂、裏白、譲り葉、橙などをつけ、しめ飾りを簡略化したもので、コンパクトなタイプのしめ飾りです。
部屋、キッチンやトイレなどの水まわりに飾るほか、門松と組みわせて飾る場合もあります。
最近はモダンなタイプも多く、おしゃれなしめ飾りを手作りする方も少なくありません。
輪じめ(輪〆飾り)
しめ飾りを簡略化したものですね。
飾る場所は、水の神様のいらっしゃる、お風呂・トイレ・水道や水道管などの水回り。
火の神様のいらっしゃる台所など。各部屋の入口にも飾ります。
飾る場所は?
玄関に、しめ飾り。
神棚、勝手口などの出入り口、三宝荒神棚に輪締め。
仏壇には、紙垂をつけない輪締め。
床の間には、鏡餅と紙垂をつけた輪締めをつけます。
お正月飾りはなんのため さいごに
儀礼的というか、こうするものとあまり考えずにやっていたけど、一つ一つみていくと興味深いものがありますね。
この年末にはしめ飾りもデザインだけでなく、意味も考えて選んでみたいと思います。
取り外すタイミングは「松の内」を目安に取り外します。
地域によっては1月7日頃に外すというところと、15日頃までつけたままというところがあります。
しめ飾りはいつからいつまで飾る?
しめ飾りの使いまわしはしてもいい?処分のしかたと保管方法