のしとは? が分かったところで、実際に贈り物をするときには、のしや水引きの決まりごとがありますよね。
行事や御祝い事のたびに、調べていましたが、まとめてご紹介します。
基本のポイントがわかれば迷うこともないですね(^^)
熨斗と水引
贈り物に水引と熨斗の入ったのし紙をかけることが、現在は一般的なギフト包装になります。
水引とは贈り物の包み紙を結ぶ紙紐のことで、基本的に本数は奇数で作られています。
目的に応じて結び方は異なります。
のしは贈り物の右肩につける長寿や繁栄を象徴する縁起物の飾りです。
奉書紙の掛け紙を掛け赤白の水引で堅く結び、相手の多幸長命を願って熨斗を添えるのが進物の最上の形とされています。
水引の結び方
水引きの結び方はいろいろありますので目的に合わせて最適なものを選びます。
のし紙をかける際、適していない結び方のものを選んでしまうと失礼に当たります。
また、生鮮品や仏前へのお供え物には、熨斗なしのかけ紙を使用します。
お見舞いには熨斗を付けないと言われますが、多幸長命を願う縁起物なのでお見舞の場合も幸せと健康を願い、熨斗を付けることがあります。
不祝儀では生臭を避ける意味で熨斗は添えません
結び切 ・ 真結び
中央で固く結ばれ、一度結ぶとほどくことが困難な結び方です。
真結び(本結び・堅結び) もっとも基本的な水引の結び方です
「一度で終わる」「重ねて起きてほしくない」との思いを込めて、結婚祝いや全快・快気祝いなどに用いられます。
あわじ結び(あわび結び)
古くからある水引の結び方で真結びよりも丁寧な結び方です
市販の金封の水引の多くはあわじ結びで結ばれています
結切りの一種ですが、一度きりであってほしい場合と何度もあってよい場合、両方に用います。
明治以降に考えだされた比較的新しい結び方です。
用途が一致なら、花結び、結切り、あわじ結びどれを使ってもOK。
両端を持って引っ張ると、よりに強く結ばれることから
今後も末永く良いお付き合いをお願いしたいという意味も持ちます。
蝶結び (別名リボン結び・花結びともいいます)
何度でも結びなおすことができるので、
「何度あってもうれしいできごと」という意味で、
一般の祝事やお中元お歳暮などに使われます。
のし紙の種類
祝いのし 赤白蝶結び
一般祝事、お中元やお歳暮などには、何度でも繰り返したいという願いから、簡単に解け何度でも結び直せる蝶結びの水引を使用します。
赤白の他、金赤、さらに特別な場合には金銀も。
関東の一部の地域で使われていたものが、昭和以降になって何度も繰り返す(繰り返しても良い)慶事に使うとして、マナー本などを通じて全国に広まったようです
★ 用途 : 出産祝い・出産祝いのお返し、子供の祝事、長寿祝い、新築祝い、引越しの挨拶、お中元・お歳暮、その他、婚礼関係以外の一般的なお祝い・お礼など。
※紅白と間違えることがありますが、「赤白」です。「紅白」は皇室のお祝いごとのみに使われます。
祝いのし 結び切り(10本)
固く結ばれて離れないことから、主に婚礼関係の祝事に使用。
水引の数が奇数ではなく偶数の10本なのは、”夫婦は二人で一つ”という意味で5本を二つに合わせたものを一組とするためです。
金銀の水引は、結納や引き出物など婚礼の際に用いられます
また叙勲やご長寿のお祝いなどで金銀をお使いになることもあります
★ 用途 : 結婚祝、結婚祝のお返し、結婚式の引出物、
祝いのし 結び切り(5本・7本)
真結びのし紙 あわじ結びのし紙
重ねて起きてほしくないとの思いを込めて、お見舞いや全快・快気祝いなどに用いられます。
お見舞いの場合”病気を延ばす”と受け取る人もいるため熨はつけません。
★用途 : 病気や怪我のお見舞い、快気祝いのお返し、全快祝いのお返し、弔辞など。
仏のし 仏・藍銀水引
二度と繰り返したくないお悔やみ全般に対しては、水引は結び切りで一般的に黒白を使用。
熨斗も、もちろんつけません。
黄白の水引
仏事のうち悲しみ事に用いられます 黄色は土の色で土に還ることを表すと言われています
建墓・仏壇開き・落慶法要などはお祝いの赤白を用いますが、新しい仏様が居られる場合の御法要は黄白を使います。
弔事には黒白の水引で熨斗はつけない。
中のし、外のし
・のし紙を掛けてから包装するのが「中のし」
あらかじめ誂(あつら)えて用意していた物などの時に使います。、
・包装の上にのしを掛けるのが「外のし」
取り急ぎを表すとして、関西では一般に中のしが丁寧とされています
濃墨、薄墨
祝儀・不祝儀の区別なく表書きや名入れには墨を使います。
相手を思いながら静かに心を込めてしっかりと墨を磨るのが良いとされています。
現在では、なかなか墨をすって筆で書くというのはないようで、筆ペンという便利なものがあるので、それを使う方がほとんどだと思います。
不祝儀の場合は心を込めて磨った墨も、涙で墨が薄まるとして薄墨にする習慣があります。
のしの表書き
のし紙の上段中央には表書きをします。
下段には表書きより少し小さく贈り主の名前を書き入れます。
書く時は黒墨の毛筆を使用することが正式とされていますが、最近では筆ペンやサインペン、などで書かれることも多くなりました(ボールペンはNGです)。
重要な贈り物や目上の方には毛筆もしくは筆ペンで書くことが礼儀です。
また、自己流の崩した文字も失礼に当たりますので、できるだけ丁寧に楷書で書きます。
贈り主の名前の表記は、一般的なお祝いなら苗字のみ、出産の内祝いなら子供の名前、
連名の場合は右から地位や年齢順、地位や年齢が関係ない場合は右から五十音順で記入します。
贈る側
結婚祝い 寿/御結婚御祝/御歓び/御祝
出産祝い 御安産御祝/御出産御祝/祝出産/御祝
宮参り 御宮参御祝/御祝
初節句 御初節句御祝/祝初節句/御祝
七五三 七五三御祝/御祝
入園・入学・進学・卒業・就職祝い
御入園御祝/御入学御祝/御進学御祝/御卒業御祝/御就職御祝/御祝
成人式 御成人御祝/祝御成人/御祝
長寿祝い 寿福/御祝
(61歳…祝還暦、70歳…祝古稀、77歳…祝喜寿、80歳…祝傘寿、88歳…祝米寿、90歳…祝卒寿、99歳…祝白寿、100歳…祝百寿)
病気見舞 御見舞
新築祝い 新築御祝/御祝
葬儀 御霊前
お返し
結婚祝い 寿
出産祝い・宮参り・初節供 内祝(※名前は子供の名前を記載
入園・入学・進学・卒業・就職祝い、成人式 内祝(※一般的にお返しは不要礼状のみ。相手によりお返しする際は「内祝」
長寿祝い 内祝/百寿(還暦・古稀…)内祝
病気見舞 快気祝/全快祝/内祝
新築祝い 内祝
葬儀 志
弔事について
熨斗なし、結び切りのかけ紙をかけることが大前提。
表書きは、仏式なら「御仏前」、神式なら「御神前」などですが、
宗教問わず共通で使用できるのは「御霊前」です。
ただし蓮が描かれているかけ紙は仏式です。
亡くなった方の宗教が不明の場合は模様なしの「御霊前」が無難ですね。
本来弔事の際に使用される水引は白で、本数は2本・4本・6本と
偶数でしたが、現在は黒白で5本・7本が一般に定着しています。
宗教問わず使用できるのは蓮のもようなどない「ご霊前」を使う。
のしと水引 さいごに
事あるごとにご祝儀袋や弔事用の袋などを買いに走っていました。
なかなか覚えられなくて、お店で祝儀袋などの裏に用途や使い方が書いてあるので、それを参考にしていましたが・・・
やっぱりちゃんと理解して覚えなければですね(^^;
ひな祭りに関する記事はこちらを参考にどうぞ。
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