おなじみの童謡は数々あるけれど、この時期、梅雨時になるとやっぱりなにげに口をついて出るのって「てるてる坊主」のうたたじゃないですか?
幼い頃、遠足の前の日や運動会の前の日に、空が曇っていると心配になっててるてる坊主を作って、歌をうたった経験てあなたにもありませんか?
てるてる坊主のうたって、何番まであるか?なんて考えたこともなく、いつも同じフレーズだけを歌っていた気がします。
てるてる坊主のうた
童謡『てるてる坊主』のうたは1921年に発表され、教科書にも掲載されていました。
てるてる坊主の童謡は、最初に発表されたときには4番まであったそうです。
知らなかった・・・
童謡『てるてる坊主』
作詞・浅原鏡村 作曲・中山晋平
1番
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
いつかの夢の空のよに 晴れたら金の鈴あげよ
2番
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
わたしの願いを聞いたなら あまいお酒をたんと飲ましょ
3番
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
それでも曇って泣いてたら そなたの首をチョンと切るぞ
現在はこんな風になっているようですが、「削除された幻の1番」というのがあります。
もしも曇って泣いてたら 空をながめてみんな泣こう
これが、元々1番だったのですが、作曲家さんによって削除され、繰り上がって3番までになったようなんですね。
てるてる坊主の歌詞は、大正時代に小説家の浅原鏡村(六郎)さんという方によってつくられました。
これが唯一作詞した童謡なんだそうです。
作曲者の中山晋平さんは、『しゃぼんだま』『証城寺の狸囃子』『あめふり』『せいくらべ』・・・等々、実に多くの童謡の作曲をされ、童謡界のヒットメーカーともいえますね。
この『てるてる坊主の歌』は、もともと4番まであったもの。
それを作曲者がワンコーラス削除してしまったという話です。
いくら実力者でもそんなことができるの?!
なんて、今なら反論する方もいると思われますが、(^^;・・・
これに関しては、削除された歌詞の内容が「晴れない」という結果なのにとても穏やかで優しいというのが理由のようです。
現代では、存在する3番の方が残酷で、どうしてこちらが削除されないのか?
なんて思ってしまいますよね。
天気予報が発達した現代でさえも、人間の力で天候を自在に操るなんてことはできません。
当時は、本当に大事な晴れて欲しい日は「力をもつ」てるてる坊主に本気でお願いしていたのでしょうか。
天候の祈祷をする僧侶がいたくらいですから。
そして、望みを叶えてくれたらご褒美に「金の鈴」や「あまいお酒」をあげるよ、
でも晴れなかったら罰として「首をチョン切る」という切羽詰まった脅しのようだったのでしょうか。
そんなときに、「ダメな場合は一緒に泣こう」なんていうゆるいことはダメだったということなんですね。
このてるてる坊主のうたは戦後から1960年までにレコード売上は15万枚に達しロングヒットを続けているそうです。
作詞者のふるさと、長野県池田町には『てるてる坊主の館』があります。
ここでは、表情豊かなてるてる坊主たちが来訪者を迎えてくれるということです。
てるてる坊主とふるふる坊主
晴れにしてほしいときはてるてる坊主にお願いする!
逆に雨になって欲しいときは、てるてる坊主を逆さに吊るす。
これも、いつ知ったのか覚えはないのに、なんとなく当たり前のように頭に残っていることです。
「てるてる坊主を逆さに吊るすと雨が降る」これは雨乞いのお願いをするおまじない。
結構有名なおまじないだと思いますが、てるてる坊主を逆に吊るすことを何と呼んでいますか?
これもいろいろな呼び名があることを最近知りました。
『逆てるてる坊主』や『るてるて坊主』『ふれふれ坊主』とか言う人もいるそうです。
『てるてる』は日が照って欲しいと言う意味ですよね。
雨が降って欲しいという意味を込めれば『ふるふる坊主』ですよね。
ただ、一般的には『ふれふれ坊主』なんだそうです。
そうなんですか?
私は「ふるふる坊主」しか知らなかったので、ふれふれ坊主といわれても、なんかしっくりこないのですが。
まぁ、呼び方にこだわってもしかたないし、地域での違いなどもあると思うので、なんにしてもてるてる坊主を逆さに吊るすと、雨乞いになるということですね(^^)
雨乞いのてるてる坊主は他にもある?!
黒いてるてる坊主
てるてる坊主といえば基本色は白ですよね?
だから反対色の黒を使うことによって意味も反対の意味になるという考え方だそうです。
黒いてるてる坊主というのは私も知りませんでした。
逆に吊るすと正直見栄えが悪いですよね。
どうやったらきれいに逆さに吊るせるのか?
なんて考えてしまいます。
そういう意味では、黒いてるてる坊主と言うのはありかもしれませんね。
てるてる坊主とふるふる坊主さいごに
てるてる坊主についての以前の記事でも書きましたが、
てるてる坊主は本来顔をかかないということで、
顔を書いて吊るすと逆に雨になるという話があります。
さて、あなたは雨が降って欲しい時は
「顔のあるてるてる坊主」「逆さに吊るすてるてる坊主」「黒いてるてる坊主」
どのふるふる坊主にしますか?