暑い夏が過ぎ、秋の気配を感じると「十五夜」ということばや「お月見」なんていうことを思いませんか?
つい、空を見上げて月を探したり、中秋の名月っていつだっけ?
なんてぼんやり思ったり・・・
こどもの頃「月にはうさぎがいる」というお話をきいて、無邪気に信じて月の影にうさぎをさがしたりしたのは、そんなに昔のことではない気がします。
大人になると、それらが疑問という形に変わってきます。
なぜうさぎ?なぜお団子なんて。疑問に思ったら調べてみるのが一番(^^)
十五夜のお月見
十五夜には、お月見をして月見団子やススキを飾って、月のうさぎを探して・・
その一つ一つが?になりますよね。
十五夜とよぶ意味や今年の十五夜はいつなの?ということは
「仲秋と中秋 今日は十五夜中秋の名月みられるかな?」で説明しています。
よろしかったら、こちらもご覧になってください。
ちなみに今年2020年の十五夜は10月1日になります。
残念なことに満月は翌日10月2日なんですね。
そして、来年2021年は:9月21日(火)が十五夜です。
十五夜は、月が見える場所などに、薄(すすき)を飾って、月見団子や里芋・枝豆・栗などを盛りつけて、御酒を供えて月を眺めるという秋の行事です。
この時期に収穫されたばかりの里芋を供えるので、十五夜の月を特に芋名月(いもめいげつ)と呼ぶ地方もあります。
なんで月にうさぎがいるの?
十五夜というと満月、満月というと月にはうさぎというように、連想ゲームのように浮かんできます。
こどもの頃、意味もわからずインプットされたことにも意味や由来はありました(^^)
インドに伝わる『ジャータカ』などの仏教説話に、
月になぜ兎がいるのかという伝説があります。
それが日本に渡来して『今昔物語集』などにも収録されたようです。
昔々、天竺に友達どうしの猿、狐、兎の3匹がいました。
3匹は「人の役に立つことをしよう」と話し合いました。
それを見ていた帝釈天様は自ら、山の中で力尽きお腹を空かせているみすぼらしい老人になり、彼らがどのように善行を行うのかと試そうと、3匹の前に現れました。
3匹は「人の役に立つことができる!」と喜んで老人を助けようと、
老人のために食べ物を探しに行きます。
猿は木の実や果物を集め、狐は鳥をとり、川から魚を捕り、
それぞれ老人に食料として差し出しました。
しかし兎だけは、一生懸命頑張ってもサルのように木の実や果物を、キツネのように鳥や魚をとることができずに何も持って来ることができませんでした。
自分の非力さを嘆いた兎は、何とか老人を助けたいと考えた挙句、
「もう一度食べ物を探しに行くので、火を焚いて待っていてください」
そう言って再び食べ物をとりに行きましたが、また何もとることができずに
帰って来ました。
そんなうさぎにサルとキツネは嘘つきだと攻め立てました。
するとうさぎは「私には食べ物を獲る力がありません。
なので、どうぞ私を食べてください」
と言って自ら焚き火に飛び込み、老人にその身を捧げました。
その姿を見た老人は、すぐに帝釈天としての正体を現し、うさぎの捨て身の慈悲行をたたえました。
うさぎには可愛そうなことをした。
後世まで伝えるため月の中にうさぎの姿を永遠に残してやろうと兎を月へと昇らせました。
こうして月にうさぎの姿が残ることになりました。
月に見える兎の姿の周囲に煙状の影が見えるのは、兎が自らの身を焼いた際の煙だといいます。
この説話の登場人物たちは、天体を示しています。
それぞれは「月が猿」・「星(シリウス)が狐」・「金星が兎」・「太陽が老人=帝釈天で、老人は光が弱々しくなった冬至前の太陽、帝釈天は光を取り戻した冬至後の太陽という解釈もなされています。
このお話からうさぎは月にいると言われるようになりました。
物語の細かいあらすじとか、登場する獣たちは、説話の解釈や時期やもろもろのことから違うさまざまな話があります。
伝承とか、昔話、民話、昔ながらのお話はたいていいろいろありますよね。
そして、月でウサギが餅つきをしているというお話は、中国から伝わったお話になります(^^;
古代中国では、月のうさぎは杵を持って不老不死の薬をつくっていると考えられ、それが日本に伝わってから餅をつくに変化したのだと云われています。
よくみると横向きにうさぎが杵でお餅をついているようにみえないこともないですね(^^;
なんで十五夜はお団子?
地域によっての違いはありますが、お供えするものにはこの時期に収穫した里芋や栗、大根、ぶどうなどがあります。
中でも葡萄などつるのあるものは、お月様との繋がりを強くすると言われていますね。
お月見にススキ(薄)を飾るわけは
月の満ち欠けなどで暦を計算した旧暦では、人々の生活に月は密接につながっていました。
農業では欠けたところのない満月を豊穣の象徴として、秋の収穫の感謝を込め収穫物を月に供えました。
でも、稲穂はまだ穂が実る前の時期で備えることができません。
そこで、穂の出た薄を稲穂に見立てて飾ったと言われています。
古くからススキは月の神様をお招きする「依り代」として備えられていました。
茎の内部が空洞のため、神様の宿り場になると信じられていたんですね。
また、すすきの鋭い切り口は、魔除けになるとも考えられ、お月見のすすきには悪霊や災いなどから収穫物を守り、翌年の豊作を願う意味が込められています。
こちらも十五夜にちなんで15本飾ります。
飾った後は軒先に飾ると1年病気をしないと言われています。
是非とも飾りましょう!(^^)
お月見の疑問 さいごに
いかがです?
十五夜にはそれぞれにちゃんと意味があるんですね。
これで、もやもやっとしていた疑問も少しははれましたね(^^)
今年の十五夜はお団子やススキを飾り、月を眺めて楽しみたいですそれと十五夜を見たら十三夜も見た方がいいんです。
なぜか?
くわしくは「十三夜とはいつ?後の月や栗の月豆の月の由来と月見の過ごし方」
に書いています。よかったらご覧ください(^^