少し前、朝の天気予報の時「霧(きり)と靄(もや)と霞(かすみ)の違いに関するクイズがでていました。
そういえば、なにが違うんだろう?あまり深く考えたこともなく、みんないっしょくたにしていました。
それぞれの違いで言葉の使い方も変わるんでしょうね。
気象でいえば、どれもちゃんと定義があるはず、と気になったので少し調べてみました。
5年くらい前に、私の住む街でも早朝に街が霧に包まれとても幻想的にみえたことがあり、スマホで写真を撮ったことがありました。
写真の撮影はめちゃ下手なので(^^;)うまく撮れませんでしたが、あまりにきれいなのでしばらく町並みを見ていたのを思い出しました。
調べた結果からいうと、それはやはり霧のようですが・・・
なぜ霧がでるのか?というのも気になります。
霧とは?霧のできるわけ
霧(きり)とは、水蒸気を含んだ大気の温度が何らかの理由で下がり露点温度に達した際に、含まれていた水蒸気が小さな水粒となって空中に浮かんだ状態。(wiki)
※露点温度とは気体を冷却していくとき凝結が起こる温度。空気が水と平衡状態にあり飽和している温度
霧と雲
wikiには
「水粒は雨粒に比べて非常に小さいが、通常、根本的な発生原因は大気中の水分が飽和状態に達したものなので、その意味で言えば雲と同じであると考えてよい。」
とあります。
「雲との一番大きな違いは水滴の大きさなどではなく、両者の定義の違いである。すなわち、当現象は、大気中に浮かんでいて、地面に接しているものと定義され、地面に接していないものを雲と定義している。例えば、山に雲がかかっているとき、地上にいる人からはそれは雲だが、実際雲がかかっている部分にいる人からは霧なのである。なお、山の地面に接する霧または雲のことをガスと呼ぶことがある。」
科学的に言われればそうなのか、と思いますけど・・・なんかなぁと思ってしまう。
でも気を取り直して、一般的なというか、気象学的にとか、霧について調べたのでまとめてみました。
なぜ霧ができるの?
・霧ができるのは、空気中にふくまれている水蒸気が冷やされるから。
空気中には、目に見えない水蒸気が含まれていて、この水蒸気をたくさん含んだ地面近くの空気が冷やされると、含みきれなくなった水蒸気が、小さな水の粒になり、霧になるということです。
小雨が降ったあとで、夜から晴れてきた次の日の朝などには霧がでます。
霧のでき方
・日本で霧の発生しやすい場所というのががあります。
日光や軽井沢などの、標高の高い所では、1年を通してよく霧が発生しています。
標高の高い所などで発生する霧は、空気が山の斜面をはい上る上昇気流 によってできる霧で、遠くから見ると、山頂付近に、雲がかかっているように見えます。
北海道や、東北地方の太平洋側では、海上で発生する霧が、陸上に流れこんできます。
暖かくて湿った空気が、冷たい地表面や海面に流れこむと、霧が発生します。
岡山県の津山や熊本県の人吉などの盆地では、秋に霧が多くなります。
夜間に地面が熱を放射して冷えると、地表近くの空気も冷やされます。
この空気中にふくまれていた水蒸気が、冷やされて霧になります。
いづれも年間で100回以上の発生があるようです。
霧はどんな種類があるの
霧には、晴れた寒い 夜にできる放射霧、山にでる山霧、海面にでる海霧川面にでる川霧などいろいろな名称や分類がありますね。
あまり聞いたことのないものもあります。
蒸発霧
川にかかる霧は、水温の高い川の水から蒸発 した水蒸気が、まわりの冷たい空気に冷やされてできたもので、蒸発霧といいます。
暖かく湿った空気が冷たい空気と混ざって発生します。冬に息が白くなるのと原理は同じです。
暖かい水面上に冷たい空気が入り、水面から蒸発がおき、その水蒸気が冷たい空気に冷やされて発生するもので、実際は冷たい空気が暖かい川や湖の上に移動した際にみられます。
風呂の湯気も原理は同じで、北海道などの川霧が代表的。帯広地区では川霧のことを気嵐(けあらし)と称したようです。
・川霧
コトバンクでは、
川の水面付近に発生する霧で水温が気温より高い場合に生ずる蒸気霧の一種。との説明。
夜間の放射冷却で気温が低くなった空気が,弱い風で水面付近に運ばれると,水温が高いため水面から盛んに蒸発する水蒸気が冷却し,再び凝結して霧粒となる。上空に逆転層が存在するとき生じやすい。とありますね。ていうことは、分類としては、蒸気霧なんですね。
放射霧
晴れた冬の日などに、夜間に地面が熱を放射して冷えると、地表近くの空気も冷やされます。
この空気中にふくまれていた水蒸気が冷やされて、霧になります。
このようにしてできる霧を、放射霧といいます。
盆地や谷沿いで発生しやすく、それぞれ盆地霧、谷霧といいます。
・山霧
一般には滑昇霧だが,山にかかる雲も,その中に入れば山霧。
・谷霧
山頂で放射冷却によって生じた冷たい重い空気が,谷に流れ下りてたまり,水蒸気が凝結して生ずる霧。
移流霧
水蒸気をたくさんふくんだ空気が、冷たい海の上などに流れてくるときに、海の水によって水蒸気が下から冷やされて、霧ができます。
これを移流霧というようです。オホーツク海などでよく見られる霧。
移流とは大気が水平方向に移動することを指す気象用語です。
暖流上の空気が移動して、夏の三陸沖から北海道の東海岸などに発生させる海霧などがその代表的なもので、消滅までに非常に長時間かかり、厚さが600m程度に達することもあるとか。
・海霧
暖かく湿った空気が、冷たい海面に接することで生じる霧で、特に移流霧として陸上に達する濃霧。
前線霧
温暖前線付近で雨が降り湿度が上がったところに温度の比較的高い雨が落ちてくると、雨粒から蒸発した水蒸気で飽和状態となり、余分な水蒸気が水粒となって発生霧となります。
上昇霧
山の谷に沿って湿った空気が上昇し、露点に達したところで発生する霧。
遠くから見ると山に雲が張り付いて見えます。
霧の内部からの観察では濃い霧となっています。
動かないように見えても実際は空気が下から次々と上昇している状態。
滑昇風により発生することも多く、滑昇霧ともいいます。
低い霧・地霧
視程が1km未満の、太陽を透かして見ることができるものを低霧または低い霧といいます。
山などでは山のふもとの地面まで達するようなものを低い霧、山の中腹や山頂付近にだけ見られるものを高い霧と区別することがあります。
視程が1km以上で、人間の視線の高さより低い地面付近にのみあるものを地霧といい、こちらは気象観測上、霧には含めないようです。
濃霧
濃くたちこめた霧。
気象観測では見通しのきく範囲が200メートル以下をいう。
陸上において視程が約100m未満、海上において視程が500m未満のときは「濃霧」ともいいます。
霧ともやは、どうちがうの?
・定義としては霧も、もやも、小さな水の粒です。
霧も靄も、水蒸気が小さな水の粒になって、空気中に浮かんでいるものです。
大気中に浮遊する水滴が光を散乱するために、霧が発生している状態では大気は白く霞んで見え、視程が狭くなります。
一般的に水分量が多いほど視程は小さくなりますが、同じ水分量でも小さい水粒が多く存在する時の方が視程が小さくなります。
1キロメ ートル未満しか先が見えないときを霧とよびます。
1キロメートル 以上先が 見えるときを 靄(もや)とよんでいます。
※視程(してい)というのは、肉眼で物体がはっきりと確認できる最大の距離のこと。大気の見通し。単に視程といった場合、水平方向の視程とあります。
靄(もや)
大気中に低く立ちこめた、薄い霧や煙霧。
本質的には霧と同じ現象だが、一般に霧よりも視程の広いものを靄と呼ぶ傾向にある。
気象上は視程が1km以上10km未満のものを靄と呼んで区別する。
霞(かすみ)と霧
気象学上の用語ではないが、春に起こる霧状の現象(特に山腹などの遠景に淡く掛かっているもの)は一般に「霞」と呼ばれ、「霧」は主として秋に用いる使い分けがされている。
季語では霞が春、霧が秋と分類されている。(wiki)とあります。
霧とは? 最後に
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