節分には、豆まきという慣習の他に、近年流行っている恵方巻き。
家族揃ってその年の恵方を向いて、無言で1本まるかじりする。
というのが、もはや一般的になっています。
2月3日が近付くと「恵方巻きの予約受付」なんていうのをコンビニでよくみますね。
ところで恵方巻きの恵方とは?
毎年方角が違う、その年の吉方って、なにによって決められるのか?
十干とは?まだまだわからないことがいっぱい。
恵方巻きの恵方とは?
恵方巻きや恵方については前回の恵方巻きのページで書いてありますので、そちらを読んでいただければと思います<(_ _)>
一応簡単に言うと、「その年のもっとも良いとされる方角のこと。歳徳神様がいるとされる方角」で、吉方のことですね。
歳徳神様は陰陽道の神様で、その年の福徳を司っています。
歳徳神様のいる方角は万事が吉とされる方角で、とても縁起がいいんですね。
ただし、歳徳神さまは毎年移動してしまうので、恵方は毎年変わってしまうというわけです。
その恵方はどうやって決められるのか?というと、その年の十干(じっかん)によって定められるとあります。
ここで、普段なじみのない十干とは?となるわけです
十干とは?
十干は古代中国で考えられた思想から作られたものです。
干支(えと)という言葉は日常使うので知っていると思います。
干支=十二支と思っている人も多いとおもいますが、正確には違います。
干支は「干」と「支」のふたつを指すもので、毎年変わる「子~亥」は「支」なのです。
で、「干」にあたるのが十干で、これは10種類あります。
十二支は12年で一周しますが、同じように毎年「その年の十干」があります。
こちらは10年で一周します。
十二支は動物の名前がついています。
十干は「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」となります。
この十干の読み方は日常では音読みで「こう・おつ・へい・てい・・・」ですが、十干では訓読みで使われます。
まず、その読み方の元ですが、陰陽・五行説と深く結びついているのです。
陰陽五行説
陰陽とは「陰」と「陽」の2つの要素が森羅万象を構成しているとする考え方です。
この2つの要素が調和して自然秩序が保たれるとされています。
古代中国では5つの要素「木・火・土・金・水」で万物は成り立っているという思想があり、自然哲学から生まれた言葉で、これを五行説といいます。
そして、この5つの要素はそれぞれ陰と陽の二つに分けることができると考えました。
陽を兄、陰を弟として「木の兄」「木の弟」「火の兄」「火の弟」「土の兄」「土の弟」「金の兄」「金の弟」「水の兄」「水の弟」と10種類に分けられました。これが十干です。
五行の木・火・土・金・水は「き・ひ・つち・か・みず」と読みます。
そして兄は「え」・弟は「と」と読みます。
ですから「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の訓読みは「甲」は「きのえ」と読みます。
「きのえ」「きのと」「ひのえ」「ひのと」「つちのえ」「つちのと」「かのえ」「かのと」「みずのえ」「みずのと」と読むんですね。
この10種類が毎年回って10年で1周するのです。
ちなみに2017年は「ひのと」2018年は「つちのえ」になります。
「干支」とは本来は十干・十二支のことです。
ということで、「例えば2017年の十二支」は「酉(とり)」ですが、正確には「丁酉(ひのととり)」です。
同様に2018年は「つちのえいぬ」2019年は「つちのと」2020年は「かのえ」2021年は「かのと」となります。※以降の年は下記表に。
では、方角の話ですが、古代中国では方角も「東西南北」ではなく干支が用いられました。
まず十二支を使って図のように十二方位が決められました。
「子の方角」が北を指します。
この十二方位を半分の角度にした二十四方位に十干が用いられます。
五行説では木は東を、火は南を、土は中央を、金は西を、水は北を意味します。
中央という方角はないので、図では仮に中央に十干をいれましたが方角は一つ前の年と同じになるようです。
丑と寅の間を指す言葉もあります。
まんま、「うしとら」です。
同様に「たつみ」「ひつじさる」「いぬい」という方角が存在します。
この4つも同じように漢字一文字の表記があります。それぞれ艮・巽・坤・乾です。
恵方は毎年どうやって決められるの?
その年の恵方を決めるのは3つのルールがあります。
1.その年がお兄(え)の年の時は、恵方はその名前通りの方角
2.その年が弟(と)の年の時は、恵方は5年前の恵方と同じ方角
3.土の兄(え)の年の恵方は2年前の恵方と同じ方角
このルールにあてはめていきます。
表にすると図のようになります。
1.と2.のルールだけだと戊(つちのえ)は方角がなくなってしまいます。中央なので。
そこで「1個前の兄と同じにしよう」ということで3.のルールが追加され、戊の恵方は「ひのえ」になりました。
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