ひな祭りには雛人形を飾って、女の子の健やかな成長を願います。
その雛人形はどんな種類や飾り方があるのでしょう。
小さなものから七段飾りの豪華なものまでいろいろありますね。
知っているようで知らなかったお雛様の種類。
雛人形の種類や飾り方を調べてみました。
目 次
雛人形の種類
雛人形には大きく分けて衣裳着(いしょうぎ)人形と木目込(きめこみ)人形の二つがあります。
また、立っているお雛様と座っているお雛様とがあります。
衣裳着人形と木目込人形
o衣裳着人形
仕立て上げた着物を着せ付けて作った人形。
特徴は、衣裳の豪華さで、華かなお衣装を着せ付けてあります。
細面で大人びた、美しいお顔立ちをしています。
比較的大きい雛人形が多く、豪華で見栄えがします。
o木目込人形
型の溝に沿って裂を貼り込んだ人形。
木目込み人形の特徴は、お顔のかわいらしさ。
お顔が手描きで、とても愛らしい雛人形です。
胴体が木製のため、衣装が型崩れせず、長持ちします。
比較的小さい雛人形が多く、飾り場所や収納スペースが気になりません。
立雛と座雛
立雛
立雛は立ち姿の雛人形のことです。
平安時代にお祓いとして紙で作ったお雛様を川に流し厄払いをする習慣からできた人形が由来。
その時の人形が、今の立雛の元の一つとされています。
男雛と女雛が立っているシンプルな雛人形です。
坐雛
坐雛は、製法上、織物の装束をつけた衣裳雛や土焼彩色の雛などさまざまな種類のものがあります。
ひな人形はもともと男女一対の人形でしたが、ひな祭りが盛んになると、安定した坐雛が作られるようになりました。
収納が楽なケース飾り
ケース飾りは、透明のガラスやアクリルケースに雛人形が入っているタイプです。
人形を並べたり、一つ一つ収納する手間がないので、忙しい人に人気があります。
コンパクトで、一般的には四角のケースが大半ですが、木の葉型、扇型、六角形などもあります。
ひな人形の飾り方の種類
飾り方にもいろいろあります。
始めは男女対のお雛様でしたが、時代の変化とともに、豪華になりお内裏様だけの雛人形から、三人官女や五人囃子などのお付の者も加わってきました。
お雛様を飾る雛段の数により、お付の雛人形やお道具も変わってきます。
親王飾り
お内裏様(おだいりさま)だけの雛人形は「親王飾り(しんのうかざり)」と呼びます。
一段の飾りつけで平飾りとも言われます。
屏風を背に両側に雪洞(ぼんぼり)、向かって左側に橘、右側に桜を配置します。
二段の親王飾り
一段目にはお内裏様と雪洞、二段目にはお道具を飾ります。
ちなみにお内裏様の男女の位置は左右どちらでもいいようです。
時代の流れの中で、左が上座で男雛だとか、右側のが優れているから右に男雛とどちらに飾るかいろいろあったようですが・・・
国際儀礼では、右側上位ということから天皇陛下が右、皇后様が左に並ばれたのを受けて関東の雛人形はこの並びになったようです。
が、伝統を重視する京都を中心に関西では、従来通りの左が男雛となっています。
あまりこだわることでもないと思いますが、その家の飾り方でいいと思います。
二段の五人飾り
一段目にお内裏様と屏風。雪洞・菱台(ひしだい)・三宝(さんぽう)
二段目に三人官女・高杯(たかつき)・橘・桜
お内裏様は皇后、天皇をあらわします。
三人官女は皇后様に付いてきた宮中に仕える女官ですね。
官女とは、男子禁制の後宮での雑務を行う女性のこと。
雛人形はお内裏様の結婚式を表しているようなので、お雛様が嫁ぐ時は、幼いころから身のまわりの世話をしていた、女官も一緒にやってくるというわけなんですね。
三段の五人飾り
一段目にお内裏様と雪洞・三宝
二段目に三人官女・高杯
三段目にお道具(御駕籠・重箱・御所車)
三段の七人飾り
一段目にお内裏様と雪洞・三宝
二段目に三人官女・高杯
三段目にお道具なしで随臣(右大臣・左大臣)
ケース飾りに多いそうです。
五段の十五人飾り・お道具あり
一段目にお内裏様・雪洞・三宝
二段目に三人官女・高杯
三段目に五人囃子(ごにんばやし)
四段目に随臣(ずいしん)と仕丁(しちょう)
五段目にお道具の御駕籠・重箱・御所車と橘・桜
囃子は「引き立てる・囃し立てる」といった言葉から生まれたと云われています。
日本の伝統文化の「能」の一種です。
五人囃子の役割は、おめでたい席を音楽で盛り上げるということです。
向かって右から「謡(うたい)」「笛」「小鼓(こつづみ)」「大鼓(おおつづみ)」「太鼓(たいこ)」の順で並んでいます。
ひな人形の段飾りの設定は平安時代の宮中の結婚式ですが、五人囃子だけ時代が違って江戸時代のものです。
五段の十五人飾り・お道具なし
一段目にお内裏様・雪洞・三宝
二段目に三人官女・高杯
三段目に五人囃子
四段目に随臣・お膳・菱台
五段目に仕丁と橘・桜
五段の十人飾り
一段目にお内裏様・雪洞・三宝
二段目に三人官女・高杯
三段目に五人囃子
四段目にお道具の箪笥・挟箱・長持・鏡台・針箱・火鉢・茶道具
五段目にお道具の御駕籠・重箱・御所車と橘と桜
七段の十五人飾り
一段目にお内裏様と屏風・雪洞・三宝
二段目に三人官女・高杯
三段目に五人囃子
四段目に随臣(右大臣と左大臣)・お膳・菱台
五段目に仕丁と橘・桜
六段目にお道具の箪笥・長持・鏡台・針箱・火鉢・茶道具
七段目にお道具の御駕籠・重箱・御所車
五人囃子から下の随臣(右大臣と左大臣)と仕丁(泣き上戸、笑い上戸、怒り上戸)は天皇の家来たちです。
仕丁はいわば雑用係ですね。
中には平安時代の雅楽の楽器「笙(しょう)、龍笛(りゅうてき)と篳篥(ひちりき)」を持つ五人囃子バージョンもあるのだとか。
ひな人形の雛壇には赤い毛氈が引かれています。
赤は血の色で、魔よけの意味があります。
そのため、ひな人形の雛壇には赤い毛氈を敷きます。
雛人形の種類 さいごに
こうしてみると段飾りにもいろいろあることが解りました。
この他にも四段飾りというのもあるようです。
お雛様は基本親王飾りがあればよいので、最初から七段とか五段を買わなくても、
住まいやスペースの状況によって、寂しく感じたらお道具などを買い足して好みで飾るといいようです。
一つ一つの雛人形についてもいろいろ知りたくなってきました。(^^;
お道具や小物についてもどんなものがあるのか・・・
次はそれぞれのお雛様、お内裏様やお付のお雛様、お道具などについても書いてみたいと思います。
☆ 雛祭りに関する記事を集めましたので、こちらもあわせてご覧ください。