睡眠不足というのは日頃からよく、耳にしますが、最近ではその蓄積した睡眠不足を示すことばとして「睡眠負債」というのをきくようになりました。
人間にとって大事な睡眠が日常的に不足して借金のように溜まってくるということですがそのリスクにはどんなものがあるのでしょう?
睡眠負債とは
「睡眠負債」という言葉があります。
一日一日にすると少しの睡眠不足でも、それが日々積み重なって借金のように増え続け、心身に悪い影響が出ることを言います。
日本人は世界の中でも睡眠時間が少ないんですね。
しかも年々睡眠時間が減少していることが、厚生労働省が毎年実施している「国民栄養・健康調査」からも分かります。
平成27年の平均睡眠時間の結果をみると、およそ4割程度の人が6時間未満、7割強の人が7時間未満であり、8時間以上眠れている人は全体のおよそ2割程度。
そんな日本人の「睡眠負債」がもたらす影響や、理想の睡眠についてまとめてみました。
怖い睡眠不足で起こる影響とは
睡眠が少し足りなくても、大丈夫と思っていませんか?実は、睡眠不足が積み重なると生活や仕事に支障が出るだけではなく、病気へのリスクが高まります。
ではどんな影響が出るのでしょうか?
「生活習慣病」
特に6時間未満の睡眠が続くと、高血圧、糖尿病、肥満などの生活習慣病になるリスクは1.5~2倍に跳ね上がるといわれています。
「うつ病」
睡眠不足により、不安や緊張が強くなり精神状態が不安定になります。
また、睡眠不足自体がストレスとなるほか、疲労感や意欲低下、イライラなどが強くなりうつ病に陥ることもあります。
「癌」
本来がん細胞を攻撃するはずの免疫細胞が、睡眠不足により働かなくなってしまいます。
様々な研究で睡眠不足の人のがんの発症率が高いことが分かっています。
「アルツハイマー型認知症」
睡眠には脳を休ませるという大事な役割があります。
睡眠不足が続いてしまうと思考や認知の機能が低下します。
さらにひどくなると脳の自己破壊が始まるともいわれています。
アルツハイマー型認知症の元凶となる「アミロイドβタンパク質」という有害な物質は、本来睡眠中に取り除かれるのですが、睡眠不足によって老廃物が蓄積されることにより、認知症の発症リスクが高まります。
その他
他にも、睡眠不足によって肥満や肌荒れ、免疫力の低下など小さなことから、死亡率が高くなるなど大きなことまで、睡眠不足が続くと心身に様々な害があります。
寝すぎもNG!理想の睡眠時間は?
睡眠不足にならないようにたくさん寝よう!
そう思うのはいいことですが、実は眠りすぎても心身に悪影響があるといわれています。
寝すぎると疲れてしまうときなどありますよね?
9時間以上の睡眠をとっている場合、睡眠不足の人と同じように糖尿病や肥満、うつ病などのリスクが高まり、心臓や脳へも悪影響が出ます。
では、どのくらいの睡眠が心身にとって一番いいのか?
理想の睡眠時間は年齢などその人によって多少違いますが、適切なのは7~8時間の睡眠といわれています。
まずは体内サイクルを戻すためにも7~8時間の睡眠に慣れることが大切です。
自分に合った睡眠時間の見つけ方は、慣れてきてから自然に目が覚め日中も良い気持ちで過ごせたときの時間を参考にするといいようですね。
睡眠負債 さいごに
健康に長生きしたいなら睡眠は一番といっていいほど大切なことなんですね。
短い睡眠が当たり前と思っていたり、睡眠不足を自覚していない人も多いですが、気付かないうちに心身はダメージを受けているようです。
私は割と普段から睡眠時間が短い方なので、自分の中でこれがベスト、なんて思っていましたが、長年続けてて最近はいろいろ考えてしまいます。
睡眠に関してはいろいろな意見や見解もあり、なにが本当なのかはわかりませんが、確かに寝不足が続くと体調だけでなく思考にも影響してくるのは実感しています。
これを機に自分の睡眠を見つめなおしてみるのもいいかもしれませんね。